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ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)社が、AIを活用した音楽企業「エンデル」社とタッグを組み、AIを自社アーティストの楽曲制作に役立てると発表した。

エンデル社が得意とするのは、睡眠時や入眠時のホワイトノイズ、瞑想中の音楽といった「機能音楽」と呼ばれるものだ。

そのため、世界中でヒットするようなポップソングに、エンデル社の技術が使用される可能性は低いとみられている。

一方、音楽業界ではここ数週間、音楽にAIを導入することに慎重な姿勢を取る声が多く聞かれている。

そんな中、業界最大手であるUMGがこのような動きを見せたのは、注目すべき展開と考えられるだろう。UMG社は、AIがアーティストの楽曲制作プロセスをサポートする存在になるとして、可能性を感じているようだ。

エンデル社とのパートナーシップ契約について、UMGの執行副社長兼デジタル部門責任者のマイケル・ナッシュは、「当社のアーティスト、レーベル、ソングライターの創造性をサポートし、強化するツールとして、AIにはおどろくべき可能性が隠されています」と強調。そのうえで、エンデル社の提供する音楽が、「聴者の心身の健康度を高めるようにデザインされているのです」とその意義を述べた。

また、エンデル社の最高経営責任者オレグ・スタビツキーは、「我々の目標はつねに、音の力で人の集中、リラックス、睡眠をサポートすることでした。AIはそのための完ぺきなツールなのです」と述べている。

音楽ビジネスの関係者が、「飽和(ほうわ)状態のこの業界にAIが参入すれば、アーティストのコンテンツを侵害し、本物のミュージシャンの立場がおびやかされてしまう」とネガティブな姿勢を示す中、UMGとエンデル社は、AIをあくまでも「アーティストを補強する存在」として活用していくようだ。