フランス人ソムリエのステファン・ダントンさんが手がける日本茶専門店『おちゃらか』は、日本茶の魅力と可能性であふれています。
東京・人形町にあるお店には、スタンダードな日本茶だけではなく、さまざまな香りを楽しめるフレーバー緑茶やほうじ茶などの商品がずらりと並び、訪れる人を出迎えてくれます。
さらに最近では、急須がなくても手軽にお茶が楽しめる「エキスパウダーフレーバー日本茶」に人気が集まっているそう。
今回は、さまざまな好みとシーンに寄り添ってくれる、『おちゃらか』の魅力をご紹介します。
“自分好み“がきっと見つかる。60種類以上のフレーバーティー
『おちゃらか』の代名詞といえば、緑茶やほうじ茶、和紅茶にさまざまな素材をミックスして作るフレーバーティー。
レモンや青リンゴ、黒糖キャラメル、ライチなど60種類以上のラインナップを前に、ワクワクせずにはいられません。なかには、「コーラ紅茶」や「ラムネ緑茶」など、ユニークなフレーバーも。
2005年の開業当初は、5種類のフレーバーティーで始めたそうですが、お客さんからのリクエストを参考に開発を進め、現在の品数にたどり着いたそう。
ダントンさんは、「住んでいる場所や年代など、さまざまな人の好みに寄り添えるよう、商品数を増やしてきました」と話します。
今後は「メロンクリームソーダ緑茶」や「日本酒フレーバー緑茶」も登場予定とのこと。自由で遊び心あふれるダントンさんは、“こだわりを持たないこと”を大切にし、柔軟性のある商品開発を進めています。
また、お茶の提案とともに、飲み方のアドバイスにも力を注ぎ、店頭での試飲にも積極的。ダントンさんの言葉は、ユーモアと説得力に満ちていて、普段はコーヒーや紅茶派の人でも、きっと日本茶に興味を持つはずです。
手軽に楽しめる「粉末状フレーバーティー」の人気が急上昇
最近では、粉末状にしたお茶にフレーバーを加えた「エキスパウダー日本茶」が人気を集めているそうです。
「『エキスパウダー日本茶』は、もっと日本茶を飲んでもらいたいという思いから2021年に開発しました。“急須がないから日本茶を飲まない”という人も少なくありません。この商品は、水やお湯にさっと溶けるので、急須がなくても手軽にお茶を楽しむことができるんです」
そう話しながら、ショコラフレーバーの「エキスパウダーほうじ茶」を試飲させてくれました。
お湯にパウダーを振りかけて、軽くかき混ぜればできあがり!
溶け残りもなく、お茶とフレーバーの香りをしっかりと感じさせてくれました。あっという間に作れるので、慌ただしい朝にもぴったりです。
「自宅やオフィスに2、3種類常備しておけば、一息つきたいときに、すぐに日本茶を楽しむことができます。また、牛乳や豆乳、アーモンドミルクに混ぜるのもおすすめ。炭酸水や焼酎などのアルコールに混ぜてもおいしいですよ」
「エキスパウダー日本茶」は、飲み物としてだけでなく、料理にも活用できるとのこと。揚げ物の衣に混ぜたり、カレーのスパイスにしたり。
はたまた、アイスやヨーグルトにトッピングするなど、多彩な用途で使えるのも魅力です。
人形町の町から、日本茶の可能性を発信し続ける
ダントンさんは、28歳の時に来日し、2005年に東京・吉祥寺に店を構えました。母国フランスでは、ソムリエとして働いていましたが、日本茶に可能性を感じて起業を決意したそうです。
「ワインと日本茶には共通点が多くあります。一本の木から栽培され、製法や品種、栽培地域によっても味が変わってくる。つまり、“ストーリー”があるんです。私は、日本茶のストーリー性も伝えていきたいと考えています。『うちのお茶はおいしいよ』ではなく、『なぜおいしいのか』を知ってもらいたいんです」
『おちゃらか』は、吉祥寺で開業したのち、日本橋にある商業施設『コレド室町』での出店を経て、2020年に人形町に移転。
日本文化が根付くこの街についてダントンさんは、「昔から変わらない風景が色濃く残っていて、ストーリー性のある街だと思います。お茶の木が植えられている茶ノ木神社も近くにあって、何かしらの縁を感じています」と話します。
コロナ以前の日常とともに、国内外からの客足が戻りつつある今、国内と海外、両方を視野に入れて、この場所から市場を展開していくそうです。
また、開業当初から、“日本茶を飲む”というライフスタイルを広げたいと考えていたダントンさん。
最近では、静岡県立大学の講師として日本茶のマーケティングを教えるなど、次世代に向けた教育にも目を向けています。
朝の目覚めの一杯や、仕事中の休憩など、さまざまなシーンで楽しみたい『おちゃらか』の日本茶。どきどき、ワクワクしながらお茶を選んでみてはいかがでしょうか。
- ■お店情報
おちゃらか
住所:東京都中央区日本橋人形町2-7-16 関根ビル1F
営業時間:11:00〜19:00
定休日:不定休
※最新の営業情報は、お店のSNSなどでご確認ください。