・俳優のキム・ドンウクが主演を務めるKBS 2TV『偶然出会った、あなた』が注目を集めている。
・作品が上り調子である一方、5月末にはtvNから彼の新たな主演作『有益な詐欺』が放送予定であるという。
・同じ俳優の主演作が同時期に放送されるのは前代未聞であるが、今後推測されるKBSの痛みとは?
俳優のキム・ドンウクが主演を務めるドラマ、KBS 2TV『偶然出会った、あなた』が調子を上げ、人々の関心が高まっている。
『偶然出会った、あなた』は、連続殺人事件の犯人を追っていた主人公ユン・ヘジュン(キム・ドンウク扮)が1987年にタイムスリップし、その時代に閉じ込められる物語。
劇中では両親の結婚を阻止しようと、1987年に来たヒロインのペク・ユニョン(チン・ギジュ扮)と共に、事件を解決していく様子が描かれており、不思議で美しい時間旅行記のような展開が見どころだ。
『シグナル(2016)』や『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜(2015)』のような、1980年代のレトロな感性が視聴者から人気を集めており、韓国のOTTでも首位を記録している。
しかし、そんな中で注目を浴びているのがドラマの編成問題だ。
『偶然出会った、あなた』で活躍中のキム・ドンウクであるが、なんと5月29日からはtvNにて新たな主演作『有益な詐欺』の放送がスタートするという。
それぞれの作品の放送開始日と放送時間は以下の通り。
◆5月1日 午後9時50分スタート KBS 2TV『偶然出会った、あなた』
◆5月29日 午後8時50分スタート tvN『有益な詐欺』
放送開始日は約1カ月間ずれているが、放送時期の一部は重なる上、時間帯も近い。さらにどちらも”月火ドラマ”であるため、放送曜日も全く同じであるという。
そのため5月29日から、月曜日と火曜日の夜は約2時間、キム・ドンウク主演のドラマが放送されることに。
さらに韓国ドラマは1話あたり60分を超える作品が多いため、放送自体も重複する可能性がある。そうなった場合、キム・ドンウクは同じ時間帯の裏番組でも、ドラマに出演していることになるのだ。
話題性は高まるものの、編成が重なることは俳優や放送局にとってあまりポジティブなことではない。
俳優が同時期に2つの作品に出演すると、視聴者の混乱を招くことにも繋がる。さらにドラマの話題性や人気が二分し、盛り上がりの妨げになることも考えられる。
『偶然出会った、あなた』が上り調子であることからも、そんな状況が巻き起こればKBSは痛手を負い、キム・ドンウクをtvNに横取りされた気持ちになるだろう。
しかし、韓国メディアによると放送時期を決定したのはtvN側が先であったという。
tvNが『有益な詐欺』の放送日を確定した3日後、KBSは『偶然出会った、あなた』の放送開始日を5月1日に設定した。
自局の作品が盛り上がるタイミングで、同じ俳優のドラマが始まれば、視聴率などへの影響なども容易に考えられる。そんな中でKBSはどうして自ら、この時期を選択したのであろうか。
その一方、tvNはキム・ドンウクの話題性を利用した、ユーモア溢れるCMを公開した。
現在、tvNの土日ドラマ枠ではイ・ドンウク主演の『九尾狐伝1938』が放送されている。
『有益な詐欺』がスタートすれば、なんと”ドンウク”という同じ名前の俳優が、土日月火のドラマで主演を務めるという状態に。
視聴者の困惑を避けられない状況であり、早くもSNS上では「イ・ドンウクとキム・ドンウクを混同してた」「同じ名前だからちょっとややこしいね」という声が寄せられている。
tvNはそんな現状を利用し、「土日はイ・ドンウク、月火はキム・ドンウク。ドンウク、ドンウク、ドンウク、土日月火、ドンウク、ドンウク」というナレーションがつけられたCMを作成。
短い動画の中でWドンウクのドラマを見事に宣伝し、視聴者に強烈な印象を植え付けた。
愉快なリズムと映像がクセになる広告に、ネットユーザーたちは「ドンウク、ドンウクのフレーズが永遠に頭の中に残る」「このCMを企画した人は誰?ボーナスをあげて!」「狂気的だけど面白すぎる!」と、tvNのセンスに好反応を見せている。
今回、テレビ局の編成により、作品の放送期間が重なってしまったキム・ドンウクだが、彼は『偶然出会った、あなた』の制作発表会にて「2つの作品は共に魅力的で、最善を尽くすために努力しました。僕にできるのはそれだけでした。どちらの作品も愛されてほしいです」と胸の内を語っている。
韓国の放送局には編成時期が未定のドラマが、約80本あるともいわれている。今後もキム・ドンウクのような状況に陥る俳優が生まれるかもしれない。