・Netflix(ネットフリックス)で配信中の『紳士とお嬢さん』(KBS/2021)が、日本で高い支持を得ている。
・主演のチ・ヒョヌが年下女性とのロマンススト-リーを、高い演技力で描き出した作品だ。
・そんな彼が出演した、70歳の海女と繰り広げる甘酸っぱいラブストーリー映画『輝く瞬間』を紹介する。
『紳士とお嬢さん』(KBS/2021)が、Netflix(ネットフリックス)“今日のTV番組TOP10(日本)”で、連日1位にランクイン中だ。
長編ものでドロドロとした内容は、どちらかといえば韓ドラファンからは敬遠されがちなタイプのドラマ。
しかし、高いストーリー性や役者の熱演の甲斐あってか支持されているようだ。
中でも、チ・ヒョヌの演技には目を見張るものが。大手グループ企業の会長である紳士ヨングク役で、成熟した大人の男性像を見事に描き出し見る者を釘付けにする。
『2021 KBS演技大賞』で大賞に輝いたほどの秀でた演技力は、さすがとしか言いようがない。
14歳下のお嬢さんダンダン(イ・セヒ扮)と衝突しながら愛を育んでいくロマンスストーリーをより一層盛り上げた。
そんな彼は同年、映画でも年齢差のあるラブストーリーを描き出して注目を浴びたことが。ベテラン女優コ・ドゥシムと共演した『輝く瞬間』だ。
本作ではなんと、70歳の年上女性に恋をする役として登場している。
その相手役が、済州島で有名な海女ジノクに扮したコ・ドゥシム。チ・ヒョヌはソウルのテレビ局に勤める30代のプロデューサー・ギョンフン役で、ドキュメンタリー番組の撮影のために彼女のもとを訪れ、出演依頼するのをきっかけに甘酸っぱい恋物語が始まる。
最初は冷たい態度で、ギョンフンの話に一切耳を貸そうとせず相手にもしていなかったジノクだが、ある出来事をきっかけに少しずつ変化が。
過去には結婚し出産も経験した彼女が、これまでの人生で感じたことのない感情と向き合い、輝く瞬間を迎えることに。
不慮の事故で娘を失い寝たきりの夫を介護しながら海女として働き、強いふりをして自分を誤魔化しながら耐えてきたジノク。そんな心を癒し慰めてくれるギョンフンの前では、弱い姿を見せるようになっていった。
そして自然とジノクにとって彼は、辛い人生における一筋の光のような存在に。
一方ギョンフンも、彼女が心に自分と同じ傷を抱えていることを知り、急速に距離を縮めていく。
2人の甘酸っぱい恋の結末が気になった人は、実際にご覧になってはいかがだろうか。
年齢差の大きい愛の物語で、見る人によっては共感や理解が難しい作品。公開前から制作者側はもちろん、役者陣もその点について言及していた。
そのためだろうか劇中には、2人の関係性を知ったギョンフンの先輩が嫌悪感を示すシーンがある。まるで観客の気持ちを見透かしあえて代弁したかのような場面だ。しかし一部の間では、両者が愛し合うようになる過程を見れば、必ずしも不快感がある物語ではないとの意見が。
チ・ヒョヌ自身も、演じてみてギョンフンの気持ちが分かったとインタビューで答えており、メガホンをとったソ・ジュンムン監督は、互いに慰め合い、(心の傷を)共感することで愛は花を咲かせるとし、その観点で見れば2人の関係性が理解できると語った。
年齢という枠に捕らわれず、ただひたすら純粋に人と人が惹かれ合い心を通わせていく様が描かれた『輝く瞬間』。
中にはキスシーンも登場するが、あくまでジノクとギョンフンが愛を確認し合うためのもの。そこに性的な描写はなく、自然豊かな済州島で繰り広げられる純愛ドラマとなっている。
恋愛だけでなく様々なシーンで年齢を踏まえて人を見てしまいがちだが、先入観や偏見を取っ払えば、新たな世界が見えてくるのかもしれない。