2020年は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、これからの働き方が大きく見直される転換期にあると言えるでしょう。「副業」もそのひとつ。2016年ごろから大手企業を筆頭に「副業OK」を掲げる会社が増加傾向にあり、この流れは加速していくことが予想されます。複数の仕事を持つパラレルワーカーも珍しくなくなりました。これからの社会を担う20代こそ副業を始め、次の時代の流れを作るべきなのかもしれません。
副業解禁の会社が増えている背景
2019年3月に「モデル就業規則」が改定され「労働者は、勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」という内容が追加されました。これは働き方改革の一つであり、副業に興味があった人からするとうれしいニュースだったのではないでしょうか。
もちろんモデル就業規則が改定された後でも副業を禁止としている会社もあります。しかし2016年4月にはロート製薬株式会社、2019年10月にはみずほフィナンシャルグループといった大手企業など、多くの企業が副業を解禁しているのです。
副業を解禁するのには「多様な働き方を認めることでより優秀な人材に来てもらいたい」といった背景があります。
20代のうちから副業をしたほうが良い6つの理由
20代で副業と聞くと「社会人として働き出したばかりなのになぜ?」と疑問に感じる人もいるでしょう。しかし今は若いうちから副業を始めることも決して珍しくありません。
20代のうちに副業を始めると所得が増えるだけでなく、将来にとって良い影響が盛りだくさんです。そこで20代が副業をしたほうが良い6つの理由について解説します。
1.いざというときのリスクヘッジになる
2.本業では学べないスキルや経験が得られる
3.新たな人脈が作れる
4.自分の価値を見つめ直せる
5.お金のリテラシーが上がる
6.リスクが少ない
1.いざというときのリスクヘッジになる
終身雇用が一般的だった時代とは違い、これからはひとつの会社に勤めていること自体がリスクとなり得ます。
帝国データバンクによると、6月26日時点での新型コロナウイルス関連倒産は287件にのぼります。大手アパレル企業のレナウンが民事再生手続きを行ったこともニュースになりました。
まさに、明日は我が身です。今後、別のウイルスの感染拡大や経済危機などマクロ的な状況によって、いつ職を失われるかは誰にもわかりません。そんなとき、たとえ本業の会社が倒産したとしても、副業をしていることで精神的にも金銭的にも安心できる可能性は大いにあります。
これからの社会人人生の長い20代だからこそ、次の危機に備えておくことは重要と言えるでしょう。
2.本業では学べないスキルや経験が得られる
副業をすることで、これまで本業では必要のなかったスキルや知識の習得ができます。社会人として本業1本に絞って仕事をしていると、得られる知識・スキルは限られてしまいがちです。
もちろん一つの分野に精通するのは良いことですが、スキルや経験の幅を広げることで得られるメリットも大きいでしょう。
例えばWebライティングを副業として行う場合、文章力やSEOの知識、企画力、交渉力、コミュニケーション能力などのスキルが必要です。
また自分でアフィリエイトサイトやYouTubeチャンネルを始める場合は、先のスキルに加えてマーケティング力やプログラミング能力、動画編集能力などが求められる場合もあります。これらのスキルはどれも長い目で見ればキャリアアップに役立つ可能性が高いと言えるでしょう。
今あるスキルを生かして本業と関連度の高い副業を始める場合でも、より一層自分を成長させるきっかけとなります。
3.新たな人脈が作れる
副業をすると、本業では関わりのなかった分野の人たちと人脈を築ける可能性があります。ここで築いた人脈は、副業で成功を収めることに重要なだけでなく、思いもよらないところで役立ってくれる日がくるかもしれません。
1つの会社で働いていると、必然的に出会える層が固定されてきてしまいます。副業を通して新たな人脈を作ることで、視野が広がり新たな知見を得られることは副業のメリットと言えるでしょう。
4.自分の価値を見つめ直せる
社会人として会社に勤めていると、会社内でのポジションや肩書きを通して自分を見ることが多くなります。対照的に副業は本業での役職は関係なく、自分の力だけで開拓していく世界です。
自分の得意・不得意を知ることができ、自分を見つめ直す手段としても副業はもってこいと言えるでしょう。
5.お金のリテラシーが上がる
会社員の場合、毎月の給与から税金や社会保険料などが自動的に天引きされるので「税金」や「お金」についてあまり考える必要がありません。
副業でビジネスをしていけば、確定申告や売り上げ、税金の管理を自分でしなければなりません。そうすることで「お金の仕組み・動き方」を経験から学ぶことが期待できます。
6.リスクが少ない
起業や転職を行う場合、少なからずリスクはあります。しかし副業であれば、本業という収入の基盤があるため低リスクで取り組むことが可能です。
副業の内容によっては比較的始めやすいものもたくさんあります。例えばWebライターやプログラミングなどネット系の副業なら、自分のスキルとパソコン、インターネット環境さえあれば初期費用はかかりません。
つまり貯蓄の少ない20代でもすぐに始められます。いずれ独立を目指している人は、本業の安定収入がある状態の今、副業としてプチ起業からスタートし軌道に乗ってから退職しても遅くはありません。
また転職を考えている人の場合、興味のある業界や企業を見つけて、本業を辞める前に副業で短時間アルバイトできないか探してみても良いでしょう。
たとえ副業がうまくいかなくても、初期投資や運転資金が少なければ大きなマイナスになるリスクは低いため挑戦しやすいでしょう。