口頭審理では偽装結婚ではないかと疑われ、絶望するクマラとミユキ。入管での面会はアクリル越しに30分のみ。理不尽な対応への怒りと、助けられない悔しさに2人は打ちひしがれるが、わずかな望みを託して弁護士・恵耕一郎(滝藤賢一)を訪ねる。恵を紹介してくれたのは入管でこの件に対応した上原だった。クマラを助けるためには、裁判を起こして処分の取り消しを勝ち取り、在留特別許可を得るしかない。ただ家族3人で暮らしたいというささやかな願いを胸に秘め、国に対する戦いに挑んでいく。

 吉岡が演じる入管の職員・上原は、入管の職員としてミユキたちと知り合い、自分の仕事に疑問を感じ、ある決断を下す。また、麻生が務めるのは、ミユキたちと争う入管側の代理人で、恵と激しく対立する占部役。情を排して厳格に法を順守する人物だ。

 また、恵法律事務所の弁護士で、在留外国人の問題に詳しく、恵と共に親身になってミユキやマヤをサポートする麻衣子役を山田。ミユキ親子が住むアパートの大家で、外国人であるクマラに不審な目を向ける水上役を池津。ミユキが働く保育園の同僚保育士で、ミユキたち家族を理解し、温かく見守るほなみ役を石川。マヤを通じてクマラと親しくなり結婚を祝福する、マヤの小学校時代の同級生で頭脳明晰(めいせき)にして博識なナオキ役を南出が演じる。