『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』 左からクリストファー・ロイド、メアリー・スティーンバージェン、マイケル・J・フォックス Photo: Moviestore/Shutterstock『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』 左からクリストファー・ロイド、メアリー・スティーンバージェン、マイケル・J・フォックス Photo: Moviestore/Shutterstock

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』にてドクが言ったセリフには、シリーズ全体を通して伝えたかったある思いが込められていたようだ。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズは、高校生のマーティ(演:マイケル・J・フォックス)と科学者ドク(演:クリストファー・ロイド)が、ドクが発明したタイムマシン「デロリアン」に乗り込み、過去や未来へとタイムトラベルする物語。

完結編となった3作目では、ドクとマーティーが、西部開拓時代の1885年にタイムスリップする。ここでドクはクララという女性と出会い、恋に落ちるのだが、現代に戻って発明を続けるべきか、過去に残ってクララと一緒に暮らすかで大きな葛藤(かっとう)を抱える。クララと残る選択をすれば、現代のドクは存在しなくなってしまうからだ。

最終的に、ドクはクララを選ぶ。愛の力は、科学だけでなくすべてに打ち勝つということを証明するためだ。

そんなドクだが、物語の最後に、列車を改造したタイムマシンに乗って、クララとともに現代に登場する。

そこで、マーティと恋人のジェニファーに語りかけたこのセリフこそ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに込められたメッセージだった。

マーティとジェニファーに向かって、「君たちの未来は、まだ何も決まっていないということだ。誰の未来だってそうだ。君たちの未来は、君たちの手で作り上げるもの。だから、良いものにするんだよ。2人ともね」と語りかけたドク。

このセリフには、愛こそが、未来を変えていくためのパワーであり、愛によって、運命をより良い方向に変えていくことができるという思いが込められている。

そして、ドクとクララは自分たちの愛をもって、それを証明したのだった。