・有名女優キム・テヒとイム・ジヨンが主演を務める、genie TVオリジナル『庭のある家』が6月に放送される予定だ。
・同名のタイトルである韓国のベストセラー小説を原作にしたドラマで、すでに熱い視線を浴びている。
・本記事では、ミステリーとしてのストーリー構成はさることながら、読み手へのメッセージ性も感じられる原作の小説を紹介する。


キム・テヒとイム・ジヨンが息を合わせる、genie TVオリジナル『庭のある家』

genie TVオリジナル『庭のある家』が、今年6月に放送を控えている。

主演を務めるのは長年に渡り絶大なる人気を誇るキム・テヒと、『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』(Netflix)シリーズでの活躍が脚光を浴びた、今まさに旬を迎えているイム・ジヨン。有名女優2人が息を合わせる作品として話題を呼んでいる。

しかも本作は、吸引力のある設定と秀でた構成によって称賛を得た同名のベストセラー小説を基に制作されたもの。ストーリーは品質保証済みなだけに、ドラマファンの期待が高まっている状況だ。

原作の小説は、「庭から遺体の匂いがする」として、幸せな日常に疑いを抱くようになった女性と、不幸な日々を脱出するために奮闘する女性の人生が交差し、変化していく過程が描かれた物語。

主人公は容姿・学歴ともに優れ、夫は医師で財力がありかっこいい息子まで持った、何一つとして欠けたところのない完璧な人生を送る主婦ジュラン。

田園都市で庭のある家に住み、誰もが羨ましがるような生活を送っている女性で、ドラマではキム・テヒが演じる人物だ。

しかしそんな彼女がある日、自宅の庭からする不快な匂いに気づいて幸せな毎日が音を立てて崩れはじめる。

夫は肥料が原因だと決めつけたが、美しい水彩画についたインクのシミのように徐々に彼女の心を占領、頭から離れないようになり幸せだった日々は一転し不幸に襲われる。

はじめはたいしたことではないと思っていたものの不安が少しずつ大きくなっていき、しまいには文句のつけようのない完璧な夫の行動を怪しみ、殺人犯ではないかと疑うようになっていく。

一方、ドラマでイム・ジヨンが演じるもう1人の主人公サンウンはジュランとは真逆で、不幸な環境に置かれた人物。外見は平凡でDV夫を持ち、貧しい生活を送る女性だ。

しかし彼女にはジュランにはない決断力と実行力が。このため庭の秘密を知って以降、サンウンは裕福な暮らしをするジュランを、ジュランはサンウンの性格を利用し、互いに欲望を満たしていく。

順風満帆であればあるほど、何か悪いことが起こるのではないかと心配になったり、ジュランのようにそれまで気にもしていなかったことを悩んだりするようになったことはないだろうか。

幸せな毎日を純粋に楽しむことができればよいのだが、不安要素を作り出しそれを育てていってしまうことが。さらにエスカレートすれば、時には不幸だと嘆くことも。

もしかすると本作はそんな私たちに、“それは本当の悩み事ですか?”と問いかけているのかもしれない。

また小説の一節に、「この世界に楽な人生はありません。自分が特別不幸な人間だと思わないでください。私たちはみんな“普通に”不幸なのです」というジュランの言葉がある。

悪い出来事が起こると人によっては「どうして自分だけが・・」と悲観してしまうこともあるが、一見幸せそうに見えても誰しも悩みの1つや2つは抱えているもの。

また、日々幸せを感じて暮らすと、逆にちょっとした事にも神経を使い、不安を感じて悩みを作ってしまうのが“人間の本性”かもしれない。

単なるミステリーではなく読み手に様々なメッセージを送っている本作、ドラマではどのように描かれるのだろうか。

日本配信に関し詳細は分かっていないが、今後の発表が注目される。