・少子化による兵力不足問題を緩和するため、韓国国内で様々な解決策が提示されている。
・その中で注目を浴びているのが兵役の延長と、女性徴兵制の導入だ。
・2年後に満28歳を迎えるK-POPアイドルがさらに長い軍生活を過ごすことに‥?


韓国男性アイドルを応援する上で避けることができない兵役問題。

兵役中は芸能活動がストップし空白期間となることから、ファンも推しに会うことができない、切ない時間を過ごすことになる。

現在も多くの芸能人が軍に服務しており、5月11日にはEXO(エクソ)のカイの入隊が注目を浴びた。

韓国の兵役は原則として満20歳から満28歳までに入隊するように定められている。服務期間は陸軍基準で18カ月となっているが、どうやら韓国ではこの期間をさらに延ばそうという政界の動きが見られているという。

5月11日、国会国防委員会に所属する与党・国民の力のシン・ウォンシク国会議員や、大韓民国星友会、兵務庁が『人口絶壁時代の兵役制度発展フォーラム』を開催した。

韓国は日本よりも少子化が進んでいるとされており、2022年の合計特殊出生率は「0.78」となっている。

これらのことから兵役対象者も年々減少。2023年に約25万人だった満20歳の徴収年齢人口は、2025年に22万人、2037年には18万人まで急減すると予測されている。

韓国はこのような人口減少による兵力不足問題を緩和するため、解決策を検討しているようだ。

そんな解決策の一つとして上がっているのが、兵役期間の延長だという。現行の兵役服務期間の18カ月を基準とし、現在の兵力規模を維持するには年間26万人が必要とされている。

しかし、2025年の兵役対象男性は22万人に過ぎず、4万人が不足する計算に。

そんな人材不足を補うために軍の服務期間延長の意見が上がっている。どうやら服務期間が6カ月延びれば、兵力5万人分を補充すると同等の効果があるようだ。

そのため、18カ月である服務期間を今後、21カ月〜24カ月とする法案が必要という声が注目されている。

さらにフォーラム内では女性徴兵制の導入に関する方策も、話し合いの中で提示されたという。

韓国での兵役義務は男性を中心に行われているが、不足した兵力資源を補充するためには対象を女性にまで拡大するという社会的議論が必要だということだ。

2022年基準で見てみると、韓国軍の軍幹部のうち女性の比重は8.8%の約1万7000人。今後、女性副士官や将校募集の人員をさらに拡大し、将来的には女性徴収制度を前向きに検討する必要があると指摘がされている。

韓国は軍事力の維持が重要な国であることから、今後も少子化を考慮し、様々な可能性を視野に入れて兵役に関する議論が展開されていくと考えられている。

5月12日、韓国国防部はフォーラムで提案された一部の兵力不足の解決案について「女性の徴収、軍服務期間の拡大などは全く検討していない」と語った。

今のところ検討の動きはないようだが、近未来では女性アイドルの入隊問題などが現実になる日が来るかもしれない。

男性芸能人に関しても兵役の期間が延長されれば、活動の空白期間が増え、仕事復帰が遅くなることが見込まれる。

兵役法ではK-POPアイドルなどの芸能人は、大衆文化の分野での貢献が認められた場合、入隊を30歳まで延長することができる。

しかし、ここ数年の間で芸能人の入隊年齢を満28歳までに集中させようと、制限が厳しくなりつつあるという。

そのため、これまでは満30歳まで猶予があったとされるアイドルたちも、満28歳までの入隊を求められる可能性が出てきている。

兵役不足の新制度が施行された場合、活動によっては特例や例外があるものの、特に2025年に満28歳を迎える男性アイドルが、18カ月よりも長い軍隊生活を過ごすことになると推測されている。

2025年に満28歳となる代表的なアイドルは、BTS(防弾少年団)のジョングクや、SEVENTEEN(セブンティーン)のドギョム、ミンギュ、NCT(エヌシーティー)のジェヒョン、ASTRO(アストロ)のチャウヌなどが挙げられる。

BTS(防弾少年団)のジョングク
ASTRO(アストロ)のチャウヌ

今後、服務期間の延長などの議論が活発化すれば、兵役法の改定前に国防の義務を果たそうと、韓国芸能人の入隊ラッシュが起こるかもしれない。