新しい生命を授かったときに親としてまずしなければならない名づけという仕事。様々な願いを込めようときっとひとつに決めきれないはずです。そこで今回は主に女の子の名前に人気の高い「乃」という漢字について、意味やそこに込められた想いなどをご紹介します。是非名付けの参考にしてみて下さい。
【乃】の漢字について
大切な我が子に付ける名前は、特に初めて生まれる子供の場合は悩んでしまいますよね。「あんな子になって欲しい」「こんな人生を送って欲しい」、親としての願いは挙げ始めたらキリがないのではないでしょうか。
そこで今回は女の子の名前の止め字として特に人気の高い「乃」という漢字について、基本的な読み方や画数などの基本的な事項から、広がるイメージやそこに込めらる想いなどをご紹介します。是非名づけの参考にしてみて下さい。
読み方
陽菜乃(ひなの)など、女の子の名前の止め字として使い勝手が良い「乃」という漢字。「赤ちゃん命名・お名前ランキング」でも常に上位に選ばれています。「の」という可愛らしい響きも人気の理由となっていますが、他にどんな読み方があるのでしょうか。
【音読み】ダイ、ナイ
【訓読み】すなわ(ち)、なんじ、の
【名のり】イマシ、ノリ、ユキ、ユク、オサム
以上です。意外にもたくさんの読み方があることがわかりました。余計悩んでしまうかもしれませんね!それでは続いて画数をみてみましょう。
画数
名前を付ける上でよく参考にされるのが姓名判断です。あなたの苗字と、子供に付ける名前の画数で運勢を占うというもの。たった一画違っただけで、運勢もまったく異なったものとなるので、名付ける前に調べてみることをおすすめします。
今回取り上げた「乃」という漢字の画数は2画です。どんな漢字と組み合わせるか、姓名判断を参考にしながらよーく悩んでみて下さい。
由来
次に「乃」という漢字の由来についてみていきましょう。
この「乃」という漢字の形は、弦を外して垂れた弓を象ったものだそうです。単純な作りの漢字ですが、そんなに風流な成り立ちがあったんですね。
名前として使う場合のイメージがさらに膨らんだのではないでしょうか?
意味
「乃」という漢字の意味には以下のようなものがあります。
・なんじ。
・すなわち。そこで。
・昔。以前。さきに。
こんなにたくさんの意味があったんですね。普段は何か別の漢字のついでのような印象しかなかった漢字でしたが、一字だけでもしっかりとした意味を持った漢字なんですね!
イメージ
「乃」という漢字の由来の項目でもご紹介したように、この漢字の元になっているのは日本の武道としてで古くから伝わる「弓」の形です。
そこから膨らむイメージは凛とした雰囲気漂う和風なイメージです。そして歴史ある古風な印象。
「乃」という漢字の人気のある理由がわかりますね。
【乃】に込められる想いとは
ここまでご紹介した「乃」という漢字の意味や由来から、一人の人間が親として我が子に付ける名前に「乃」という漢字を使うとき、そこにどんな想いを込めていると想像しますか?
ここではそんな「乃」に込められた想いや願いをいくつかご紹介します。ぜひ名づけの参考にしてみて下さい。
まっすぐな乃をもった人に育ってほしい(弓矢のように)
「乃」という漢字は、弦を外して垂れた「弓」の形を象って作られたものです。弓道は日本に古くから伝わる武道のひとつで、精神を一本の矢に集中し、弓でもって的を射る競技です。
そんな由来から、「乃」という漢字を名前に使う場合にも、一本の弓矢は的に向かって突き進んでいくように、真っ直ぐな乃をもった人に育ってほしいという願いが込められているのではないでしょうか。
ありのままの姿で素直に生きていけるように
この「乃」という漢字の訓読みにある「すなわち」という言葉は、この漢字の由来である弓が垂れた「そのままの状態」、「ありのままの様子」を意味しています。
そこから想像できるのは、我が子が虚栄を張ったり、嘘をついたりすることなく、ありのままの姿で生きていけるようにという願いが込められています。
人生はなかなかそうもいかないことが多いですが、我が子が成長し、いつか挫けそうになったとき、この「乃」という漢字が自ら名前に含まれていること、親がどういう願いを込めてこの漢字を名前に使ったかという理由を知ったとき、立ち直るきっかけになるかもしれません。