ヘンリー王子 Photo: ITV/Shutterstock
ヘンリー王子のゴーストライターが、回顧録執筆の裏側を告白している。
今年1月、回顧録「SPARE/スペア」を出版したヘンリー王子。幼少期から現在にいたるまで、王室での扱いやメーガン妃との結婚の舞台裏などを赤裸々につづり、ベストセラーとなった。
そんな「SPARE/スペア」を、ヘンリー王子と共同で執筆したのが、ジャーナリストのJ.R.モーリンガーだ。
このたび、J.R.モーリンガーは、New Yorker誌に寄せた記事の中で、回顧録執筆の裏で起こっていたさまざまな出来事を明かしている。
モーリンガーによると、執筆の途中、ヘンリー王子とはげしい議論を交わす一幕があったという。
議論が起こったのは、ヘンリー王子が軍隊に入り、イングランド郊外で演習を行っているエピソードについて、オンラインミーティングを行っている最中だった。
「テロリストに扮(ふん)した兵士から襲撃を受けるという演習があった。シミュレーションではあるが、とてもリアルなものだったそうだ。捕(と)らえられたハリー(ヘンリー王子)は、殴られ、蹴られたうえ、テロリスト役の1人から、亡き母ダイアナ元妃のことをからかうような下品な言葉を投げつけられた。このときハリーは、その兵士に対して『機転の利いた』言葉で言い返した」とつづったモーリンガー。
彼によると、ヘンリー王子はその言葉を「どうしても回顧録に入れたい」と主張したが、モーリンガーは反対し、議論は夜中まで続いたという。
「ハリーと言い合いになることは初めてではなかったが、このときはいつもと何かが違った。ハリーが何も言わなくなって、完全な決裂に向かっている気がしたんだ」と続けたモーリンガーは、「彼はだだ、(オンラインミーティングの)カメラをじっと見つめていた。そして大きく息を吐き出すと、ついに、なぜ彼がここまで頑(かたくな)なのかを語り始めた。ハリーが言うには、彼はこれまで、周りからずっと『知能が低い』と思われてきた、と。だから、テロリストに捕らえられ、極限状態になっても、機転の利いた言葉が言えるという、頭の回転の速さを証明したかったそうだ」と、ヘンリー王子の強い主張の裏に、過去に何度もバカにしてきた世間を「見返したい」という思いがあったことを明らかにした。