リチャード・ドレイファス Photo: Matt Baron/BEI/Shutterstock
リチャード・ドレイファス(75)が、ハリウッドの「多様性」に対する考え方に苦言を呈している。
映画『ジョーズ』や『未知との遭遇』などで知られる俳優のリチャード・ドレイファスが、来年のアカデミー賞で採用される「多様性を重視したルールの変更」について、「吐き気がする」と述べた。
アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは先日、作品賞の選考基準に、有色人種の俳優を起用していることや、主要スタッフにLGBTQ+や障がいを持つ人物を採用していることなど、多様性を重視した4つの項目を新設すると発表した。
そんな中、トーク番組「Firing Line with Margaret Hoover」に出演したリチャードは、「これはアートなんだ。さらに、商売でもある。金を稼ぐためのものだ。それでも、アートには変わりない」と語ると、「アーティストである私に対し、最新の道徳的思考を押し付けるようなことはしないでほしい」と訴えた。
さらに、リチャードは、今回の基準が人々の感情をルール化するものだと主張。
「我々は何のリスクを負っているのだろう?本当に人の気持ちを傷つけるリスクがあるのか?」と現代の風潮を疑問視すると、「それをルール化することなんてできないだろう。人生は人生として、受け止めなければならないのだから。申し訳ないが、この国における多数派や少数派が、そこまで配慮される立場にあるとは思わないんだ」と持論を展開した。
そのうえで、リチャードは、誰が出演しているかという基準を満たすためにストーリーをねじ曲げるのではなく、ストーリーのリアルさに焦点を当てた映画を作り続けるべきだとし、「まず真実から作品を作ること、やってみてできなければ、そこで初めてナンセンスなものに手を出せばいい。でも、できないからといって、それを歴史のせいにするべきではない」と付け加えた。