たくさんの悩みを抱え、日々大変な業務をこなす看護師。さらにママ看護師であれば、我が子を連れて残業しているようなケースもあります。本当は定時で帰って我が子との時間を大切にしたいけど、現実は帰りも遅く生活リズムもバラバラ…ママも子どもも非常にストレスフルな環境だと思います。
「毎日の残業」「複雑な人間関係」「子供をお迎えに行ってカンファレンス室で待たせて仕事」
…このままでいいのかな?
このように看護師と転職の悩みは常に隣り合わせ。一方で、転職をしても環境が変わらないと思い込んだり、自分のスキルが他で通用するのかと不安になったりしている方も多いのが現状です。
本記事では、転職を検討しているものの様々な理由で一歩を踏み出すのが怖いと悩む看護師に向け、PRIMEの看護師ライター乃原が
「転職で後悔した5つの失敗体験談」
「転職成功のために意識した3つのポイント」をご紹介します。
リアルな体験談が、ぜひ転職活動が素敵な未来への一歩になりますように。
1.看護師が転職で後悔した事例7選[体験談つき]
ここからは、看護師として転職したPRIMEのライター乃原が転職で後悔した体験談を7つご紹介します。
生まれて初めての転職は看護師4年目のときでした。病棟の激務に疲れ果て、人間らしい生活さえままならない生活。夜勤明けの帰宅時間はお昼を過ぎるのは当たり前。これは看護師あるあるですよね。
少し仮眠を取って、夕方から気分転換にお出かけしよう!と、少し眠りについて起きたら3時。そう、真夜中の3時だったのです。そんな生活が続き、転職を決意。藁にもすがる思いで転職エージェントに登録したのを覚えています。
転職後悔事例(1)求人情報と実際の職場で大きな違いがあった
最初の後悔は初めての転職。担当者に求人票を貰い、一番条件に近い訪問看護の求人を選びましたが、求人情報と実際の現場には大きな違いがありました。それは、求人情報の「未経験でも歓迎」という言葉。病院しか知らない私は、経験豊富な先輩からのOJTが当たり前にあるものだと信じ切って入職しました。確かに先輩看護師からの仕事のレクチャーはありましたが、なんと先輩看護師が全員歴1~2年目の若手ナースだったのです!
もちろん訪問看護の世界では先輩です。しかし、入職から1年未満の人ばかりで訪問看護を熟知している人はいませんでした。ある程度の看護の知識と経験、看護師像を持っている私にとって、教育体制の整っていない現場に対する不信感と患者さんへの申し訳なさは大きな悩みの種に。
ここでの最大のミスは、面接時、面接官からの「見学もできるけどどうする?」という提案を断ってしまったこと。今思えば、当時の私は全てのやる気を失っており、必要なことの判断さえつかなかったのです。
今の職場で疲れている看護師さんも新しい職場の見学さえしんどいという方もいると思いますが、求人内容の確認と見学は必ずしましょう。
転職後悔事例(2)人間関係を理由にしてしまった
結婚を機に保育園へと再転職した私は、新しい環境で人にも恵まれとても楽しく働いていました。しかし、新年度に1人の看護師が異動してくると状況は一変。保育園に看護師は私とその方の2人。当然日々の業務も相談しながら行います。
私は看護業務も保育補助もどちらも満遍なく行って保育士や子供と信頼関係を築くのを大切にしているタイプ。一方、もう一人の看護師は「看護師なので看護業務しかしません!」というタイプでした。
最初は気にせず仕事に励んでいましたが、徐々に私の看護師としての仕事が無くなり、最終的には保育の仕事しかできない環境に陥ってしまいました。看護師として、保育園看護の理想と叶えられない現実。しかし、人間関係を悪くしたくない気持ちに挟まれて言い出せないでいました。
その後家庭の事情が重なったこともあり泣く泣く退職をしたのですが、ここでの学びは、急いで判断しないことと人間関係に重きを置かないこと。
転職してから環境や人間関係が悪くなっても1年ほどでガラッと環境が変わる可能性も十分にあります。
結局私の退職から3か月後に、その看護師は6月で産休に入るとの情報が。 仕事は好きだっただけに「もし、そこにいれたらまた理想の日々が送れていたかもしれない」と後悔の気持ちが生まれました。
転職後悔事例(3)相談できる上司がいなかった
仕事をする上で相談しやすい上司がいるほど恵まれている環境はありませんよね。転職して私が気付いた意外なことは、相談できる上司がいないストレスでした。転職活動の際に上司がどのくらい在籍しているのか、または上司は定期的に変わるのかを確認しておくと安心です。
一方で、そういった環境は一握り。逆にクリニックは比較的在籍期間が長い看護師が多い傾向にあるため、なんでも相談できる頼れる上司が欲しい場合はクリニックを検討するのがおすすめです。
また、看護師の配置が少ない福祉施設も相談できる相手が少ない傾向にあるので、近隣の看護師で集まる機会があるのかを確認しておくのがおすすめ
です。転職を後悔せず、安心して仕事を始められますよ。
転職後悔事例(4)自分のやりたい看護ができなかった
看護師として年数を重ねていくと、自分のやりたい看護が明確になってきますよね。転職活動において、自分のやりたい看護ができないとせっかく転職しても長く働くのは難しいです。
もし、患者さんとゆっくり関わりたい気持ちがあるのなら慢性期の病院か穏やかなクリニックがおすすめです。
私は小児看護が得意でしたので、保育園でママやパパに自宅でできる簡単なケア方法や受診のタイミング、育児相談などに乗っていました。
病院以外でも看護師の資格を活かして輝ける場所は沢山あります。焦って決めるのではなく、この場所で自分はどんな看護ができるのかな?とシュミレーションをしてみるのがおすすめです。
転職後悔事例(5)看護師のレベルが低い
病院は離職率は高いものの、看護師の数が多く、長年勤めている看護師もいるのでレベルが大きく変化することは考えられません。しかし、看護師の数が少ない施設や訪問看護ステーションは、看護師1人の退職で大きくレベルが変化してしまいます。
私は看護師が少ないにもかかわらず離職率の高い職場に知らずに転職してしまった経験があり、自分を含め業務を理解していない中での仕事は辛いなと転職を後悔した経験があります。
ここで転職を後悔しないために知っておいて欲しいことは、求人を出す側の事情です。
詳しくは、4.看護師が転職で後悔しないために!良いエージェントの見極め方でリアルな実体験とともに解説していますのでぜひそちらもお読みください。
転職後悔事例(6)マンパワー不足で激務
基本的に常に求人を出し続けている企業へ転職するのは、少し考えたほうが良いでしょう。事業拡大のための求人ならそこまで問題視しなくてもいいですが、常に人手不足だと、業務に慣れたあたりから膨大な量の仕事を振られます。
私の経験だと、訪問看護の仕事に就く際の説明では訪問件数は1日5~6件と聞かされていました。しかし、実際は1日7~10件。東京都内2つの区を雨の日も雪の日も自転車で駆け回り、1日の移動距離は30kmを超えていました。
いつか人が増えたら…と希望を持って仕事に励んでいましたが、新しい看護師が入職すると新しい契約を管理者が取ってくるのです。私の在職中に激務は改善されませんでした。
看護師なので、人が潤っている職場を見つけるのは少々難しいかもしれません。しかし、看護師を大切にしてくれている職場は必ずあるで、急いで次の転職先を決めるのではなく、吟味して選んでいきましょう。
転職後悔事例(7)クセモノすぎる医師に対してストレスフル
看護師の転職先で人気のあるクリニック。求人の数は福祉施設と比べると少ないので、看護師の中では取り合いの人気求人です。クリニックと聞くと、病院より楽に働けて家族との時間を大切にできるというイメージがありませんか?
実は、クリニックこそよく考えて決めなくてはなりません。
私が働いていたクリニックは、口コミを見ると驚く内容ばかりが書かれていました。しかし、面接の際にクセは感じたものの見学を経て優しい看護師が多い点に惹かれ入職を決めました。看護師の仲はとてもよく楽しく働けていましたが、医師がクセモノすぎました。その医師がクセモノだと思う理由を下に3つご紹介します。
- クリニックを混んでいると見せたいからと患者の数が少なくても必ず19時まで診療を引っ張る
- 平日に1、5日と比較的週休が多いため、看護師の休憩は無くても良いという主張
- 診察に必要な情報は看護師が取り、医師は患者の話を聞かず看護師の記載した情報の返事のみを早口で伝える
読んでいるとビックリしますよね。これは盛りなしの完全ノンフィクションです。
なお、私はそこで産休・育休を取りましたが、時短勤務での復職を希望した際に「19時まで働けないならパートでも雇えない」と事実上のクビを宣告され、泣く泣く退職となりました。この経験は今思い出しても胸が痛くなる経験です。
いかがでしたでしょうか。
希望を持って転職される看護師の皆さんに後悔してほしくないと、包み隠さずお話していますが、転職を経験して後悔した場面はたくさんあります。
しかし、転職エージェントを正しく選び、求人をしっかり吟味すれば後悔する可能性はグッと低くなります。
私は、転職を経て自分の技術や知識は大きく向上していると身をもって感じているので、私は転職という経験を後悔したことはありません。
2.看護師が転職で後悔しないためにやっておくべき3つのこと
転職は未知だから怖いと悩んでいる方に向けて、看護師が転職で後悔しないためにやっておくべきことを3つご紹介します。
(1)求人票の情報が全てではないと念頭に入れる
求人票の内容が全てではないと、念頭に置きながら読みましょう。また、実際の募集内容が求人票と異なる場合があるので、必ずエージェントに情報が最新か確認を取るのも大切です。
面談の場ですぐ応募しなくても大丈夫ですので、一度情報を持ち帰って冷静に考えましょう。ボーナスなどの条件、その職場の口コミをしっかり確認してから応募をしても遅くはありません。
私は、ボーナス〇〇円と書かれていましたが、実際に入職したら業績によって支給されるか不明と言われ、ボーナス支給日の7日前までボーナスが貰えるか分からない状況だった経験があります。「話が違う!」とエージェントに連絡しましたが、エージェントの担当さんからの返答に驚きました。
担当さん「その話は知りませんでした。しかし看護師さんはあまり関係ないかもしれませんが、一般企業では会社の業績でボーナスが出ないということは良くありますよ。」
ライター乃原「いや!あたし看護師として転職してるんですけど!」
と、腹が立ったのを覚えています。
特に給与面は働く理由そのものです。相違がないように必ず確認しておきましょう。
(2)自分が本当にやりたい仕事か?または続けられる仕事なのかを考える
看護師として転職して後悔しないためには、 自分が本当にやりたい仕事かまたは長く続けられる仕事かを考えて転職しましょう。基本的に金銭面では恵まれている看護師。給与面や福利厚生に惹かれてしまう気持ちは分かります。
しかし、自分に無理をさせると長続きしないどころか、短期間で転職を繰り返すことにもなりかねません。
特に、産後や子育て中の看護師でさらに自分のやりたい仕事ができない状況であれば、自分の心と身体の健康を第一に考えられる仕事を選ぶのをおすすめします!
看護師のAさん「私は転職回数は2回です。新卒で働いた病院と2つめの病院はどちらもICUで、ICU看護が好きです。でも、今は子育て真っ最中なので比較的給料が安定し体力的に楽な訪問看護の仕事をしています。」
ライター乃原「私は子供を早くお迎えにいきたいので、小さい内は看護師から離れ、在宅でライターの仕事をしています。たまに単発で派遣看護師の仕事をして、感覚が鈍らないようにしています。」
常に売り手市場の看護師は、転職のしやすさは大きなメリットです。ライフプランに合わせてうまく仕事を変えるのも看護師の特権と言えるでしょう。
(3)気になる職場は必ず口コミをチェックする
気になる求人を見つけた際は、もし確認できるのであれば必ず口コミを確認しましょう。理由は、口コミほど参考になる資料はないからです。
私は今まで面倒くさがって、口コミなどの情報を調べずに転職活動をしていました。しかし、転職をして後悔したときに、口コミを確認すると大体自分の感じているストレスや悩みは口コミに書かれているのです。
情報収集をしっかり行っていれば、こういった悩みに苛まれなかったのかな…と後悔した経験があるので、これから転職活動を始めようとしている看護師の皆さんには、口コミの確認を強くおすすめしています。
口コミサイトに登録するのもいいですし、Googleマップで口コミを確認するのもリアルな声が見られるのでおすすめです。