差別的態度を取ったとされるイタリア人の女性たち
アジア系アメリカ人の家族をあざ笑い、人種差別的コメントをしたイタリア人大学生3人組の動画がネットで拡散され、批判が殺到している。
パキスタン系アメリカ人の映画監督、マヌフール・ユーセフさん(Mahnoor Euceph)は4月26日、自身のTikTokに一本の動画を投稿。そこで彼女は「コモ湖からミラノまで、中国人のハーフの彼氏、彼の中国人のお母さん、彼の白人のお父さんと一緒に電車に乗っていた。私はパキスタン人。私たちは全員アメリカ人です」と、人種は様々だが全員アメリカ人のグループで行動していたと書いた。
すると向かい側に座っていた若い女性3人組が、マヌフールさんらをじっと見つめ、笑いながら何かイタリア語で話していることに気づいたという。それをボーイフレンドに伝え、無視して昼寝をしたというマヌフールさん。しかし昼寝から起きてもそのイタリア人3人組はまだ同じように笑っていたという。
そこでマヌフールさんが「何か問題でもありますか?」と尋ねると、3人組は「いや、問題はないです」と回答。しかしその後も、彼女たちは不愉快で差別的、そして大きな声で「ニーハオ!」と言い始め、イタリア語でいろいろなことを言ってきたという。
不快感を覚えたマヌフールさんは彼女たちを動画で撮影することに。すると3人は少しおとなしくなったそうだが、動画には、撮影されているとわかっていながらも「ニーハオ」と話したり、嘲笑(ちょうしょう)したりと、差別的な態度を取る彼女たちの様子が収められている。
「ニーハオ」と言い、笑うのが聞こえる
マヌフールさんは「これほど露骨(ろこつ)な人種差別を経験したのは生まれて初めて。若い世代にはもっといいものを期待していた」「アメリカにも人種差別があるけど、ヨーロッパは20年遅れている。イタリア人のみなさんには、この女性たちを見つけて、恥であると教えてほしい。本当に嫌な経験であって、非人道的です」と、心から嫌な体験をしたと書いている。
この動画は投稿されてからすぐにSNSで拡散され、世界中からこのイタリア人学生たちの人種差別的行動に対し「人に対して優しくするのは0ドルなのに、それもできないなんて」や「こういうことは私たちが思っているより頻繁(ひんぱん)に起こっている」「こういうイジワルが晒されるのはいいことだ」などと批判のコメントが殺到。各国のニュースでも取り上げられた結果、この大学生3人の名前と大学名が特定される事態にまで発展した。
その後、各大学は公式インスタグラムにてそれぞれ謝罪の声明を発表している。
大学側は「いかなる人種差別も許容しない」といった旨の文章を掲載。さらに3つの大学のうち、2つの大学は「この件に対して調査を進める」と述べた。