でも、綾には悪いけれど、両思いなのに事故や病気で亡くなるとか、そういう悲しすぎる話ではなくてよかった。だけど彼女の幸吉への想いは、恋というよりも「この人となら酒の話をできる=好き!」みたいな、ちょっとズレたものだったかもしれないですね。きれいなピンクに染まったササユリを見て、「うまい酒を飲んだ時みたい」とつぶやくような、何よりも酒が大好きな人なんだから。そして綾本人もそれに気が付いている。「なんて強欲ながじゃろう」と恥じて涙ぐむ綾の背中をよしよしとさすってあげたくなりました。しかし、こうしてライバルが消えた竹雄(志尊淳)が、そこでもうちょっと踏み込めばいいのに!というシーンで、強気になれないのがもどかしい。お祭りで好きな女の子とふたりきりなんて、最高のシチュエーションなのにー。自分の気持ちを押し殺して大事な人を支えようとする、それが竹雄らしさではあるんだけど、もうちょっとがんばってもいいし、自分の思いを大切にしてもいいのよ?
万太郎の植物への思いも、綾の酒造りへの思いも、竹雄の綾への思いも「峰屋の当主だから」「おなごだから」「身分が違うから」と縛られてどうにも動けない。「おばあちゃんの言う通りにする」と運命を受け入れる決心をした綾と、これからもふたりを支えると決意した竹雄。恵まれて育った傲慢さに気がつき、でも自由が欲しいと願う万太郎。偶然出会った、自由について熱く語る早川逸馬(宮野真守)と、「人の一生は短い。後悔はせんように」と自由を手放して後悔しているジョン万次郎(宇崎竜童)は、3人を自由にするきっかけになるんでしょうか。
■番組情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』
[NHK総合] 月~金 8:00-8:15 / 月~金 12:45-13:00(再放送)
[BSプレミアム・BS4K] 月~金 7:30-7:45 / 土 9:45-11:00(再放送)
[見逃し配信] NHKプラス
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、笠松将、中村里帆、島崎和歌子、寺脇康文、広末涼子、松坂慶子、牧瀬里穂、宮澤エマ、池内万作、大東駿介、成海璃子、池田鉄洋、安藤玉恵、山谷花純、中村蒼、田辺誠一、いとうせいこうほか
作:長田育恵
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん「愛の花」
語り:宮﨑あおい
制作統括:松川博敬
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
植物監修:田中伸幸
制作:NHK
公式サイト:nhk.jp/ranman