『E.T.』と、スティーヴン・スピルバーグ Photo: Patrick Rideaux/Shutterstock, Rob Latour/Shutterstock『E.T.』と、スティーヴン・スピルバーグ Photo: Patrick Rideaux/Shutterstock, Rob Latour/Shutterstock

スティーヴン・スピルバーグは、自らの映画に変更を加えてしまったことを後悔しているようだ。

1982年に公開されたSFアドベンチャー映画『E.T.』。スティーヴン・スピルバーグがメガホンを取った作品で、地球にやってきた宇宙人と少年の心の交流を描くストーリーが感動を呼び、世界中で大ヒットを記録した。

2002年には、公開から20周年を記念し、『E.T. 20周年アニバーサリー特別版』がリリースされたのだが、この作品には、当時の風潮に合わせ、一部に変更や追加を行ったシーンがあった。オリジナル版では拳銃をにぎっていた警官の手元が、トランシーバーに置き換えられていたのもその1つだ。

このたび、「Time 100 Summit」のインタビューに応じたスピルバーグは、「あれは間違いだった。あれは間違いだった」と繰り返すと、「『E.T.』はあの時代を反映させたものなんだ。だから絶対に変更するべきではなかった」と悔しさをあらわにした。

スピルバーグによると、20周年バージョンの公開が決まった当時は、子どもに拳銃が向けられるというシーンに敏感になっていたという。しかし、ときが経つにつれ、その思いに変化があったそうだ。

スピルバーグは、2011年にも変更を加えたことに対する後悔の念を口にしているが、その思いはますます強くなっている様子。今回のインタビューでは、自分と同じ過ちを繰り返さないよう、周囲に呼びかけた。

「自分の過去の作品に手を加えるべきではなかった。本当に誰にもおすすめしない」と語ったスピルバーグは、「我々が作る映画というのはすべて、それを作ったときに我々がどこにいたのか、どんな世界だったのか、そして、作品を世に送り出したときに世間はどう受け止めたのか、そういったものを示す一種の『ものさし』なんだ。だから、変更を加えたことを本当に後悔している」と訴えた。