「アフリカン・クイーンズ:クレオパトラ」ポスター
ネットフリックスの新番組「アフリカン・クイーンズ:クレオパトラ(原題:Queen Cleopatra)」の予告編が公開されたのだが、これが大炎上している。
ネットフリックスは4月13日、同社オリジナルのドキュメンタリードラマ「アフリカン・クイーンズ: クレオパトラ」の予告編を公開。同作はジェイダ・ピンケット・スミスが共同プロデュースしており、主人公クレオパトラ役として黒人女優アデル・ジェームズが起用されている。
この作品に関しジェイダ・ピンケット・スミスは「黒人の女王の話を見たり聞いたりする機会はあまりなく、私にとっても、娘にとっても、私のコミュニティにとっても、こういった話を知ることができるのは本当に重要でした」と、宣伝資料の中で話している。
しかし、同作品内でのクレオパトラの人種の設定やキャスティングが物議をかもし、大炎上。なぜなら、多くの歴史家や古代エジプトの専門家は「クレオパトラはマケドニア(※)の血を引いており、肌が白かった可能性が高い」と述べているからだ。
※紀元前7世紀に古代ギリシア人が建国した国家。
クレオパトラは紀元前51年から30年まで、エジプトのプトレマイオス王国の時代を統治していた女性。過去にはハリウッド映画にて、白人女優のエリザベス・テイラーやヴィヴィアン・リーなどがクレオパトラ役を演じたことがある。
しかしクレオパトラの実際の血筋や見た目について、ハッキリとはわかっていないのが事実。ボストン大学の考古学教授であるキャサリン・バード氏は「クレオパトラの肌の色はわからない。彼女のミイラが見つかって(可能性はかなり低い)、そこからDNAを分析しない限り決してわからない」としている。
賛否両論を集めているこの作品だが、ついには訴訟問題へ。Just Jaredによると、エジプトの弁護士であるマームード・アル・セマリ氏は4月23日、同作をめぐり「支配者を黒人女性として描いたことで、エジプトのアイデンティティを抹殺した」と非難し訴訟を起こしたという。さらに「ネットフリックスが表現するものの大半は、イスラムは社会の根本的な価値観、特にエジプトのものに合致していない」と主張した彼は、エジプトでのネットフリックスのサービス停止も求めているという。