兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の創設以来、オーケストラを成長に導き、常に聴衆に刺激を与えるプログラムを提供し続けてきた指揮者、下野竜也が登場する5月のPACが披露するのは、オール・イギリスプログラムだ。

コンサートの冒頭に奏でられるのは、ウォルトン(1902-1983)が第2次世界大戦中の1942年に作曲した『スピットファイア前奏曲とフーガ』だ。この作品は、イギリスの航空技術者R.J.ミッチェルが、第二次世界大戦を象徴する名戦闘機スピットファイアを生み出すまでを描いた伝記映画『スピットファイア』の音楽からの編曲作品だ。その音楽は、名戦闘機スピットファイアの飛行シーンを想像させる勇壮なもの。まさにイギリスを勝利に導いた伝説の翼の活躍を描いた意欲作だ。

そして、日本を代表するヴァイオリニスト三浦文彰がソロを務めるエルガー(1857-1934)の「ヴァイオリン協奏曲」とそのエルガーの名を世に知らしめた名作『エニグマ変奏曲』のカップリングは、19世紀末から20世紀に至るイギリス音楽の素晴らしさを描いた歴史絵巻のような豪華さだ。

下野竜也が描き出すPACの「ザ・ブリティッシュ!」公演によって、気高く勇壮なイギリス音楽再発見の絶好のチャンス到来!

兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)第141回定期演奏会
下野竜也 ザ・ブリティッシュ!

5月26日(金)、27日(土)、28日(日)
15時開演
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

ウォルトン:「スピットファイア」前奏曲とフーガ
エルガー:ヴァイオリン協奏曲
エルガー:エニグマ変奏曲

指揮:下野 竜也
ヴァイオリン:三浦 文彰
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

三浦 文彰(Fumiaki Miura)/ヴァイオリン

2009年世界最難関とも言われるハノーファー国際コンクールにおいて、史上最年少の16歳で優勝。これまで、宮崎国際音楽祭、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭などに参加。ハンブルク北ドイツ放送響、オレゴン響など国内外で主要オーケストラと共演している。
2012年プラハ・フィル、2013年にはシュトゥットガルト放送響との日本ツアーを行った。2013年は、ペンデレツキ80歳記念演奏会にも出演。2014年は、ルーブルでのリサイタルでパリ・デビューを果たした。
2015年には、リントゥ指揮ベルリン・ドイツ響との共演を得て、エイベックス・クラシックスからCDをリリース。 2016年NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ音楽で、ヴァイオリン・ソロを演奏。2017年秋は、フェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラとのツアーを予定している。
2009年度第20回出光音楽賞受賞。使用しているヴァイオリンは、宗次コレクションより貸与されたストラディヴァリウス 1704年製作 "Viotti"。