今をときめく“稀代のホルン奏者”福川伸陽を軸にした魅力的な「ホルントリオ」公演が目前だ。

金管楽器の一種であるホルンは、その形態によって、他の金管楽器よりも多くの倍音を出すことができる。この機能は、裏返してみれば“ミストーンに繋がりやすい”ということで、かつて「世界で最も難しい楽器」としてギネスブックに掲載されていたこともあるという興味深い楽器だ。

しかも、オーケストラにおける重要なメロディを任される頻度の高さにおいては、金管楽器の中でナンバー1。その柔らかな響きが多くの作曲家たちを魅了してきたことの証明だ。

その中のひとり、ブラームスは、完成させた4つの交響曲のすべてにおいて、ホルンが活躍するシーンを描き出し、ピアノ協奏曲第2番では、作品冒頭の最も印象的なメロディをホルンに吹かせることで、ピアノが登場する花道を創り出しているようにも感じられる。

そのブラームスが遺した「ホルントリオ」が今回のコンサートのメインに置かれているのだから楽しみだ。福川伸陽のホルンと枝並千花(ヴァイオリン)&須藤千春(ピアノ)の共演が、どのような化学反応を起こすのか興味津々。カップリングされたエルガーの『愛の挨拶』&川島素晴の『Paganini Ride in a Time Machine』ともども、ホルンの魅力に浸る絶好のチャンス到来。

霞町音楽堂主催公演
ホルントリオの魅力
4月28日(金) 19時

枝並千花 ヴァイオリン
福川伸陽 ホルン
須藤千晴 ピアノ

【プログラム】
エルガー/愛の挨拶 ホルントリオ版
川島素晴/Paganini Ride in a Time Machine
ブラームス/ホルントリオ 変ホ長調 Op.40 ほか