・BTSのジョングクがソウル大児童病院に、10億ウォン(約1億円)を寄付した。
・韓国オンラインコミュニティーでは彼に対する称賛の声が送られる中、韓国政府の支援金に関連する意見も登場し、注目を浴びている。
・今回はジョングクの寄付が称賛される理由をチェックしていこう。
BTS(防弾少年団)のジョングクが韓国のソウル大学児童病院に、10億ウォン(約1億円)を寄付したことが明らかとなった。
4月18日、ソウル大学児童病院は、ジョングクが去る14日に病気の子どもたちと家族のために、10億ウォンを寄付したと発表した。
彼は「痛みを経験している子どもたちにとって、少しでも役に立つことを願い、子どもたちが健康に笑えるように応援しています」と語っていたという。
寄付金は低所得家庭の子どもたちの治療費や、統合ケアセンター事業などに使用される予定だ。
韓国芸能界ではアイドルや芸能人の寄付が大きく取り上げられ、度々話題となる。
今回のジョングクの寄付もメディアなどで報道され、韓国オンラインコミュニティーのコメント欄には「ジョングクは本当にかっこいい」「10億ウォンはすごい。そして、良い場所に寄付したね!」と、彼の行動に対する称賛の声が寄せられている。
さらにオンラインコミュニティーには、ソウルや京畿道に位置する、公共子どもリハビリ病院の運営支援予算に関するニュース画像が登場。
画像には2023年の政府支援予算が0ウォンであると記載されていることから、一部のネットユーザーは「韓国政府もやっていないことを、ジョングクがしているのか‥!」「韓国政府は福祉にお金を使わないの?ジョングクに任せるの?」と驚きの声を残した。
ネット上ではニュース画像に影響され、政府が子どもリハビリ病院に対して支援を一切していないというコメントが目立つが、それは事実ではない。
保健福祉部は2022年12月に、2023年度の公共子どもリハビリ病院の運営支援費として、17億4000万ウォン(約1億7400万円)が国会予算の審議過程を通じて反映されたと明かしている。
これにより首都圏の公共子どもリハビリ病院の2カ所と、済州圏の公共子どもリハビリテーションセンターの1カ所の運営費が支援されており、そこでは障害児への集中リハビリ治療や、学校復帰支援などの包括的なサービスが提供されている。
しかしその一方で、予算確保までには難航があり、医療サービスの充実など、政府が積極的な支援を行えていなかったことから、支援を巡る議論も行われていたという。
韓国では以前から施設の不足改善を呼びかける声が上がっており、2018年には第5次障害者政策総合計画に従い、公共子どもリハビリ病院の建設が推進された。
しかし、現在でも小児リハビリ治療は未充足であることが確認されており、2022年に健康保険審査評価院が公開した『子どもリハビリ医療機関指定運営試験事業の成果と評価、及び指定規模拡充方案研究』の報告書では、外来患者数の増加に伴い、首都圏だけでも合計41の病院が追加で必要であるという結論が出ている。
小児リハビリテーションの治療では、全ての過程を通してセラピストと患者が1対1で進行する必要があることから、人手不足や赤字問題など、既存の施設が抱える問題も大きい。
ジョングクが寄付を行ったソウル大学児童病院は、全国各地から重症希少難病、小児がんや白血病の子どもたちが集まる大きな病院だ。
さらに病院では統合ケアセンターを運営し、病気の子どもの回復だけでなく家族のサポートも行っている。しかし、病院側は「統合ケアセンター事業は運営するほどに赤字を生み出し、後援がなければ維持をするのが難しい実情がある」と説明。
そのため、ジョングクの寄付は病気で苦しむ子どもや家族の大きな励みになると、病院関係者は強調している。
韓国社会を取り巻く問題に関心を持ち、積極的に子ども病院に寄付を行ったジョングク。彼の行動には、全国から称賛が送られ、注目を浴びている。