物語は、スランプ気味の作家・三馬太郎(中村)が、亡き父の故郷である山間の“ハヤブサ地区”に移住するところから展開。都会のストレスから解放され、穏やかな生活が送れるかと思いきや、地元の消防団に加入したのを機に、太郎は連続放火騒動に巻き込まれ、さらには住民の不審死など怪事件に遭遇する。真相を探り始めた太郎の前に浮かび上がるのは、集落の奥底にうごめく巨大な陰謀だった――!?

 連続ドラマ「下町ロケット」(TBS系)で若き技術者を演じて以来、中村にとっては8年ぶりの池井戸作品への出演となる「ハヤブサ消防団」。戸惑いながらも不穏な事件にからめとられていく主人公・三馬を演じるにあたり、中村は「『下町ロケット』に出演した際、先生の直筆メッセージの書かれた原作本をいただきました。作家の方からそういうものをいただくのは初めての経験だったので、すごく特別な思い出だったんですね。あれから何年か経て、またこうしてご一緒できることはすごく感動的ですし、またプロデューサーもドラマ『ホリデイラブ』(同系)でお世話になった方で、そうした巡り合わせにうれしい気持ちでした」とオファーを受けた際の喜びを明かす。

 さらに、池井戸作品への印象として、「没入感があります。人物の描き方と巧みな配置で感情移入がスムーズにできますし、物語の構成もスリリングで心地よい起伏があります」と語り、今回演じる太郎という役どころに関しては「まだ序盤しか脚本は読めていませんが、久しぶりにリアクターとして楽しめる撮影になりそうです。その土地のさまざまな人や自然、起こる出来事、すべてに対する反応の仕方で、三馬という人が見えてくるのではないかと思います」と分析し、思いを伝えた。

 ちなみに、作品にちなんだ田舎の町に関しては、「ないものねだりだと言われればそれまでなのですが、東京出身で祖父母も東京に住んでいた私にとって、田舎と呼べる存在がなくて…。憧れがあります」とのこと、。そして、あらためて「楽しんでいただける作品になると思います。三馬と一緒に考察して、謎を追いかけてください!」と呼び掛けた。