・韓国を代表する大物俳優コン・ユには、意外にも長い不遇の時代があった。
・役者デビューして以降、順調に活動していた彼の前に立ちはだかった壁を乗り越え、スターの座を獲得したエピソードを紹介する。
・先日Danmee(ダンミ)で取り上げた“スターの成長痛”にフォーカスした記事の第2弾だ。
新年度が始まって約2週間「努力しているのにさほど成果がでない」「向いてないのかな」と早くも落ち込んでいる新社会人もいるのではないだろうか。
そんな悩める人に捧げたい、大物俳優コン・ユのエピソードを1つ紹介する。
最近Danmee(ダンミ)でスタートした、“スターの成長痛”にフォーカスする第2弾だ。
彼は意外にも苦悩の時代を経て、韓国を代表するトップ俳優に君臨した役者。スター街道を走り抜けてきたイメージがあるが決してそうではなかった。
身体が成長する過程で起こる“成長痛”のように、痛みを経験してステップアップ、現在の地位を手に入れたようだ。
時には早い段階で見切りをつけることが必要な場合もあるが、“石の上にも三年”ということわざが当てはまるエピソードは、きっとあなたに頑張る勇気をくれるはず。
順調な俳優人生
1999年コン・ユは、トップスターの登竜門と言われた韓国のアパレルブランド『292513=STORM』のモデルを務め、翌年にMnetのビデオジョッキーとして芸能活動を開始する。
そして2001年からは演技に挑戦、当初はエキストラだったが、同年に放送された『学校4』(KBS/2001)で役者デビューを果たす。
棒付きキャンディーを加えて歩くキャラクターを演じたことから、一部の間では“キャンディーボーイ”の愛称で親しまれるなど、脇役ではあったが比較的重要な配役を受けて幸先のよいスタートを切った。
以降、お茶の間とスクリーンを行き来しながら活動を続けていく。
出演の機会すら得られない役者が多い芸能界において、コン・ユは順調な俳優人生を歩んでいた。
成長痛に悩まされた時代
ところが出演作が途切れないだけで、ヒット作には恵まれなかった。
それゆえ爆発的な注目を浴びることもなく、鳴かず飛ばずの状態がなんと約6年も続く。
一定の知名度がありCM業界でも活躍、青春スターとしても愛されていたが、あくまで大勢いる中の1人。決定打となる大きな一発がないために、あと一歩というところでスターになるための最後の砦を越えられずにいた。
ちなみにほぼ同時期に役者としてスタートしたヒョンビンは、ドラマデビューして約2年後に『私の名前はキム・サムスン』(MBC/2005)で一世風靡、一躍スターの仲間入りを果たしている。
コン・ユにも、ブレイクのきかっけとなる作品が必要だった。
転機となった『コーヒープリンス1号店』
役者を始めて以降、ひたむきに努力してきたが思うような結果がでなかったコン・ユ。当時は、このままでは演技に対する情熱が冷めてしまうのではないかと、不安を抱いていたという。
しかしなんとか歯を食いしばって俳優業を続けていた彼に、2007年転機が訪れる。
彼がスターダムにのし上がるきかっけとなったドラマ『コーヒープリンス1号店』(MBC)に出会ったのだ。
大企業の御曹司でコーヒーショップのイケメン社長チェ・ハンギョルに扮し、ヒロインのウンチャン(ユン・ウネ扮)に対する一途な愛とツンデレぶりで多くの視聴者を虜に。
王子様のようなキャラクターと彼本来の魅力で、シンドローム的人気を博した。
また本国では最高視聴率27.8%を叩き出し、日本をはじめ中華圏や東南アジアでも絶大なる支持を得て、長かった不遇の時代は終わりを迎える。
コン・ユ自身も『コーヒープリンス1号店』についてこう語っている。
「この作品に出会う前は、役者人生に対して懐疑的になり、自分の情熱が次第に冷めていくような感覚だった・・正直、オファーが来た時は“またトレンディドラマか?”と思ったが、監督を信頼してチャレンジしてみることに・・結果的にカメラの前で情熱的に演技できるようになり、本当に感謝している(2007年7月ハンギョレ新聞)」
以降の活躍はご存じの通りだ。
苦悩の時期を耐え誠実に役者という職業と向き合い、現在の地位を獲得したコン・ユ。
彼のスターへの軌跡を見ていると、成長痛の後には明るい未来が待っていると信じたくなる。