音楽家・岩代太郎が生み出した新たなジャンル「奏劇」の第3弾『奏劇 vol.3 メトロノーム・デュエット』が、7月から8月にかけてよみうり大手町ホールにて上演されることが発表された。

「奏劇」とは、これまで数々の映画音楽を手掛けてきた岩代が「新たなフィールドでクリエーションを行いたい」という思いのもと発案したプロジェクト。言葉では伝えきれないことを、ミュージカルやオペラのように歌であらわすのではなく、あくまで物語をベースに言葉と音楽で全体を構成。BGMとしてではなく、俳優陣と共に音楽も劇中の物語を奏でるリーディングドラマとなっている。

本公演はミステリータッチとなっており、音楽が人の心を動かせるということを知り尽くしている音楽大学の教授が、あるものを手にしたことで踏み込んではいけない領域に踏み込んでしまい、自らがその餌食となってしまう。

キャストには、昨年初の主演映画も公開されたベテラン俳優の高橋克実、テレビドラマや舞台、ミュージカルでも活躍する浜中文一、浜中と同じ事務所の後輩で、浜中とは3年ぶりの舞台共演となる寺西拓人、近年はこまつ座での出演以外は映像中心で活動してきた富田靖子、女優として映画、ドラマ、舞台の話題作に次々出演するほか、歌手としても精力的に活動を続ける斉藤由貴と豪華な出演者たちが集結した。

また、物語の一部を音楽が語るという「奏劇」では、演奏する“キャスト“たちも重要となる。今回の音楽はチェロ、アコーディオン、ピアノで構成。チェロには第5回ルーマニア国際音楽コンクール室内楽部門第1位入賞、インターナショナル・ヴェラン・クラシコ2015 チェロ部門第1位入賞、最近ではピアノ三重奏「椿三重奏団」を結成したチェリストの新倉瞳。日本では珍しいベルギー配列のボタン式クロマティックアコーディオン奏者の桑山哲也。そしての本作の原案と作曲を手掛ける岩代太郎がピアノで出演する。

<コメント>
■原案・作曲:岩代太郎(ピアノ)
「同調圧力や協調性は、社会を歪める要因になりうる」
誰もが心の内では気が付いているのに、時として私たちを取り巻く社会に充満してはいないでしょうか。本作品における「2つのメトロノームが紡ぐ怪しげな物語」は、鏡に映し出された現代社会の有り様なのです。どうか「言葉」と「音楽」で紡ぐ「奏劇」ならではの世界へ、お越し下さい。

■脚本・演出:山田能龍
演劇が表にあり、バックに生演奏があるのではない。コンサートの合間に朗読があるわけでもない。本当の意味で劇と演奏を相互作用させる、それがこの「奏劇」です。敬愛する岩代太郎さんより「この挑戦、ご一緒しませんか?」と言っていただき、図々しく興味が膨れ上がって乗りました。
メトロノームが刻む人それぞれのテンポ。淡さと狂気を併せ持つこの物語には奏劇が相応しい。ぜひ全身で感じて頂きたいです。

■高橋克実
岩代太郎さんの情熱が生み出した音楽と演劇が融合した新たな世界観です。
従来の朗読劇とは一線を画す舞台に参加できることに、今からワクワクしています。「音楽と共に語る言葉」「言葉が奏でる音楽」を僕自身も楽しみたいですね。

■浜中文一
奏劇『メトロノーム・デュエット』に出演致します、浜中文一です。
凄い方達と共演させていただくので、稽古中ガッツリと勉強させてもらいます。
今回の奏劇がどのようになるのか僕も楽しみに、そしてお客様に楽しんでもらえるように稽古していきたいと思います。

■寺西拓人
『メトロノーム・デュエット』に、望月役で出演させていただきます、寺西拓人です。
この「奏劇」という新しい芸術に携われることが、今からとても楽しみです。vol.2を拝見させていただきましたが、独特な空気感の中、音楽と共に物語が進んでいく様に、ゾクゾクしたことを覚えています。
このプロジェクトのお力になれるよう精進いたしますので、ぜひ劇場へお越しください。

■富田靖子
不可思議な世界の『メトロノーム・デュエット』
視覚と聴覚が刺激を受ける台本……。むしろ楽譜に近いかもしれません。
ちょっと怖いですが、マエストロの指示に応えられるよう、しっかり心を整えます!

■斉藤由貴
演ずるとは何かをずっと自問自答してきて、まず俳優はこの身体から発する磁場、エネルギーのようなものに誠実であるべきと最近とみに感じます。
朗読劇ならば、声。
そこに魂を込めること。そんな風に臨みたいです。

<公演情報>
『奏劇 vol.3 メトロノーム・デュエット』

『奏劇 vol.3 メトロノーム・デュエット』ビジュアル

原案・作曲:岩代太郎
脚本・演出:山田能龍

【出演】
高橋克実、浜中文一、寺西拓人、富田靖子、斉藤由貴

■演奏
新倉瞳(チェロ)、桑山哲也(アコーディオン)、岩代太郎(ピアノ)

【東京公演】
7月26日(水)~8月2日(水) よみうり大手町ホール

■チケット料金(全席指定・税込)
土日・昼公演:9,500円
平日・昼公演:8,800円
全日・夜公演:8,400円
7月26日プレビュー公演:7,500円

一般発売:6月3日(土)