石ノ森章太郎氏原作の特撮テレビシリーズ『仮面ライダー』(テレビ朝日系)の放送開始50周年を記念して製作された『シン・仮面ライダー』は3位だった。歴代ライダー映画の興収最高額は『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(2009年)の19億円だが、『シン・仮面ライダー』は公開17日間で15.3億円。『ディケイド』を超えるのは確実だが、同作の監督・庵野秀明氏の過去に携わった『シン・ゴジラ』(16年)『シン・ウルトラマン』(22年)『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(21年)の「シン」シリーズの中では、今のところ、もっとも寂しい興行成績だ。

 4位には公開17週目の『THE FIRST SLAM DUNK』が入った。こちらは興収127.6億円、動員も888万人を突破している。5位には特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』(TBS系、1993年)を原典とし、円谷プロダクションがアニメ制作会社「TRIGGER」とタッグを組んで制作したTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』(TOKYO MX)と『SSSS.DYNAZENON』(同)をクロスオーバーさせた劇場版アニメ『グリッドマン ユニバース』が入った。

 『グリッドマン ユニバース』は、はやりのマルチバースもの。日常を謳歌していた主人公・裕太が、別世界の住人・麻中蓬たちと、突如訪れた危機に立ち向かっていく姿がスリリングに描かれる。特撮マニアにとっては興味深い作品でネット上の評判は上々。公開10日間で動員23万、興収3億3492万円。

 6位には葉真中顕氏の同名ミステリー小説を、松山ケンイチと長澤まさみの主演で映画化した社会派サスペンス『ロストケア』が入った。同作は、過酷な介護現場の実情を背景に、心優しい介護士の男(松山)が、自らの信念に従って殺人を繰り返していくさまと、そんな犯人に対峙していく中で葛藤を深める検事(長澤)の姿を描く。決して派手な作品とはいえないが、柄本明など実力派俳優が多数出演し、内容、演技ともにネット上での評価は高い。