映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 長井好弘のおススメ】
文藝春秋がプロデュースする新たな落語会シリーズだ。同社は柳家喬太郎を核に配信中心の「文春落語オンライン」でお馴染みだが、規制緩和が広がりつつある今春、本格的なホール落語公演を打ち出した。初回は「文春らくご動物園」がテーマだが、動物ネタのセレクトが油断ならない。三遊亭白鳥作の傑作長編『任侠流れの豚次伝』を、昼の部は玉川太福が浪曲で、夜の部は柳家三三が本格古典の手法を駆使して演じてみせる。
そのほか、昼の部のトリ、三遊亭兼好の『ねずみ』は兼好独自の演出を取り入れた意欲作。夜の部の三笑亭夢丸が演じる『馬大家』は滅多に聞けない昭和の新作の逸品である。筆者も発足に関わりがあるので、手前味噌的かもしれないが、それを差し引いても「攻めているな」と感じさせる落語会だ。
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