映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 山本益博のおススメ】
古今亭志ん輔は古今亭志ん朝の薫陶を受けた弟子のひとりで、真打になる前は「朝太」を名乗っていた。「朝太」は志ん朝の前座名で、将来の期待があったからこその志ん朝の命名だったはずである。
私は、その「朝太」時代の高座を春風亭小朝との二人会はじめ、よく聴いた。独特のフラがあって、スピード感あふれる高座は、ときどき師匠によく似た一時期があった。
先日、『徂徠豆腐』を聴いた。年季が入った、余裕たっぷりの見事な高座だった。まさに成熟した一席。
その志ん輔が、『茶の湯』『お見立て』『小猿七之助』の三席を高座にかける。『お見立て』などはすでに手の内に入っている噺だが、『小猿七之助』は講釈ネタのかなり手ごわい噺である。かつて、立川談志が得意にしていた噺で、談志亡き後、多くの落語家が高座にかけるようになった。志ん輔の『小猿七之助』聴きものである。
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