映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のメイキング写真が公開された。

荒木飛呂彦の人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』から生まれたスピンオフ『岸辺露伴は動かない』は、2020年末より実写ドラマ化され、原作ファンを中心に話題を呼んだ。今回の映画版では岸辺露伴を演じる高橋一生や、露伴の担当編集・泉京香を演じる飯豊まりえ、そして原作・ドラマファンをうならせたスタッフ陣がドラマ版から続投。その製作チームが今度はフランスと日本を股にかけ、“岸辺露伴最大の事件”を描く。

何よりまずはタイトルにもあるように、“岸辺露伴最大の事件”の舞台となるルーヴル美術館での大規模撮影を敢行。言わずと知れた美の殿堂・世界最大級の美術館であり、日本映画で撮影許可が下りるのは2014年に公開された『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』以来2作目。ルーヴル共同企画としてフルカラーの読切で描かれた人気エピソードが原作という縁もあり実現した異例のケースだ。露伴がルーヴル前に降り立つ姿を切り取ったカットや、先日公開された予告編で映し出されたあのモナ・リザと対峙する瞬間などがスクリーンいっぱいに広がることになる。

ルーヴル美術館とポンデ・ザール

また、パリ市街地でも様々な観光名所を巡っている。劇中では、世界有数の観光名所であるエトワール凱旋門から伸びるシャンゼリゼ通りを二階建ての通称ビッグバスに乗った露伴と京香が訪れるシーンや、セーヌ川の中州にあるサン・ルイ島のカフェ・ルテシアでルーヴルでの奇妙な出来事について語り合う露伴と京香の姿も収められている。

エトワール凱旋門

カフェ・ルテシア

一方、日本国内のロケ地も趣深い歴史的建造物ばかり。本作のカギとなる「この世で最も黒い絵」を求めて露伴と京香が美術品オークションに参加する原作にはないオリジナルシーンは、神奈川・横浜のホテルニューグランドで撮影を実施。昭和初期に開業し、古くはアメリカ陸軍のマッカーサー元帥やチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースなど錚々たる来賓客を迎えた事もある歴史を持ち、1992年に横浜市認定歴史的建造物にも選ばれたクラシカルなホテルであり、絵画の世界をそのまま切り取ったような世界が広がるロビーは必見。劇中の設定としても格式高いオークション会場とあって、いつもより一段上の正装を纏っている露伴&京香コンビの衣装も見どころだ。

ホテルニューグランド

また漫画家デビューしたばかりの頃の若き露伴(長尾謙杜)が、漫画執筆のため夏休みの間に滞在する祖母の屋敷は、渡辺一貴監督の強い要望により選ばれたという会津若松の旅館、向瀧。江戸時代の中期から存在していたと言われ、まるでタイムスリップしたかのような時間が流れるこの場所はまさに青年期の回想シーンにうってつけであり、青々とした緑や夏の美しい情景とともに映し出される。「この世で最も黒い絵」の秘密へと近づくにつれ思い出されていく、妖艶な雰囲気を漂わせるミステリアスな女性・奈々瀬(木村文乃)との出会いや、淡く切ない記憶が幻想的なムードで描かれている。

向瀧

<作品情報>
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

5月26日(金) 全国公開

原作:荒木飛呂彦『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
出演:高橋一生 飯豊まりえ/長尾謙杜 安藤政信 美波/木村文乃

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