ここ数年、東海エリアの劇場は休館が続き、深刻な劇場不足が叫ばれている。会場がないがゆえの「名古屋飛ばし」が発生し、多くのエンタメファンが涙を飲んだ。そんな現状を憂えた東海エリアのコンサートプロモーターや名古屋に在籍するテレビ局等が発起人となり、2025年3月に、名古屋市港区の「みなとアクルス」にライブハウス型ホール「PORTBASE(ポートベイス)」が誕生する。

PORTBASE完成イメージ ロビー共有空間

「PORTBASE」開業に向けて、合同会社ポートベイスが設立されている。出資社は、前述した「サンデーフォークプロモーション」をはじめ、数々の著名なアーティストが所属する「アミューズ」、名古屋の民放テレビ局5局「CBCテレビ」「東海テレビ放送」「名古屋テレビ放送」「中京テレビ放送」「テレビ愛知」、チケッティングサービス事業を推進する「チケットぴあ名古屋」、コンサートホール“Zepp”の運営を担うZeppホールネットワークをを有する「ソニー・ミュージックエンタテインメント」と、東海エリアのエンタメを推し進めるには鉄壁の布陣が揃った。

PORTBASE完成イメージ(夜景)。港が近い立地のため、船をイメージしたデザイン。

「PORTBASE」はスタンディングで2,280名、座席使用で1,082名と、名古屋ではZepp Nagoyaより少し広い規模となるが、「PORTBASE」ならではの特徴がある。それは音楽コンサートでの使用はもちろんだが、演劇での使用も想定した作りだということ。舞台美術を仕込むに適したスペースや天井高を有するなど構造的に演劇も上演しやすい会場を作る。ホールのようなキャパシティがありつつ、スピーカーやPAなどの音響と照明は常設というライブハウスならではの特徴を持つ「PORTBASE」。ライブハウス型ホールと銘打ち、幅広いコンサート、演劇を上演していく予定だ。

合同会社ポートベイス出資会社や関係者が揃った記者会見

発起人のひとりである伊神悟氏(サンデーフォークプロモーション代表取締役)は、在名テレビ局5局がそろい踏みする理由のひとつとして、「地元から発信できるコンテンツは、夢として追いかけたいです。テレビ局は、ドラマやバラエティなどで地元に密着した内容で作品を作っているので、それを立体的なものにしてもらいたい」という思いも語った。

PORTBASE 完成イメージ模型

立地は地下鉄名港線・港区役所駅から徒歩5分。「ららぽーと名古屋みなとアクルス」なども隣接し、来場者の利便性もばっちりだ。オープンはまだまだ先だが、東海エリアから「エンタメの発信基地」が出来るのを心待ちにしよう。

<施設概要>
PORTBASE(ポートベイス)

住所:愛知県名古屋市港区金川町101番地1の一部(みなとアクスル内)
主要用途:ライブハウス/演劇/ミュージカル
オープン予定日:2025年3月
収容人数:スタンディング 2,280人、座席 1,082人