cover interview 玉城ティナ
初回放送から2年以上を経てなおファンが増え続けているゾンビサバイバルドラマ『君と世界が終わる日に』。
完全新作となるスペシャルドラマの放送後に、HuluではSeason4の独占配信がスタート。
新たに加わったメインキャラクター・新山明日葉を演じる玉城ティナさんに、作品への意気込みを伺いました。
Profile
1997年生まれ。講談社主催オーディションで初代グランプリに輝き、14歳で「ViVi」(講談社)の最年少専属モデルに。2014年に女優デビュー。映画「惡の華」、「Diner ダイナー」での演技が評価され、第44回報知映画賞新人賞受賞。本年も映画「恋のいばら」「零落」と公開作品が続く。また、主演ドラマ「社畜OLちえ丸日記」もHuluにて独占配信中。
物事はなるようにしかならない
はじめからそう思っていたほうが楽で
それが一番の対処法だと思う
―Season4からの新キャストということで、参加にあたって改めて過去のシリーズをご覧になられたかと思いますが、この作品の魅力はどんなところにあると思われましたか?
「実はゾンビものってこれまであまり観てこなかったので、“なんか怖いんでしょ?”みたいな、ざっくりとした印象しかなかったんです。でも、今回お話をいただいて過去のシリーズを観 返したことで、極限状態だからこそ露わになってくる人間関係や、一人ひとりの本音の部分が描かれていることに魅了されましたし、単なるアクションドラマじゃなく、人間ドラマとして成 立していることに気づかされました。しかも、Season4は人間とゴーレム(作中に登場するゾンビ)が共存する世界にまで発展していて、登場人物たちはその環境で生き抜くための覚悟を決めているので、新たな魅力も発見できると思います」
―ティナさんが演じられる明日葉はどういう人間だと感じましたか?
「過酷な世界のなかの光のようでもあり、天使のようでもある存在です。でも、単に理想主義を語っているだけではなく、有言実行することでみんなを導いてきたからこその説得力を備えていて、すごく強い女性だと思います。しかも、過酷な世界においては誰もが二の次にしてしまうことも忘れることなく、母親に教わった言葉を守り、弟のことも常に大事にしています。演じるうえでは、そうした芯の強さや素直さも表現していけたらと思っています。たとえば声のトーンひとつとっても、明日葉だったら相手の心に届くようによく通っていると思うし、話すときには、相手から“嘘をついたら見透されそう”と思われるくらい、きちんと人の目を見るのが明日葉だと思います」
―作中同様の極限状態に立たされたら、明日葉のように清らかな気持ちを保っていられる自信はありますか?
「自信がないので、明日葉のことを尊敬します。生きるか死ぬかの極限の状況において、愛情や尊敬の気持ちを持ち続けるのは簡単なことではないと思います。だからこそ、それを実行している明日葉に周りの人間がついてきていますし、主人公の響も、彼女と対峙することによって気持ちに変化が生まれた部分はあると思います」
―登場人物たちがあのような状況下で大切な人を守ろうとする姿に考えさせられたことはありますか?
「台本を読んでいて一番考えたのは、“最期に何が残るんだろう?”ということです。死ぬときには私たちは何も持って行けませんし、自分らしい姿のまま死ぬことができるのかもわからないけど、登場人物たちはみんな本能的に、“どう生きたいか?どう死にたいか?”を考えている。その姿に心打たれました。理想の生き方、理想の死に方は一人ひとり違いますし、それぞれがそれぞれの正義を胸に抱いています。そのなかで明日葉にとっての正義はどういうものであるのかを考えながら、台本を読み進めていきました」
―作中のように命を懸けて挑まなければならない状況はなかなかないですが、ティナさんにとって“これのためなら命を懸けられる”というものは?
「お仕事は“命懸けくらいの気持ちで挑まないと”という思いはあります。演技をしているときは、アドレナリンが出ているのか、普通では考えられないようなことも平気でしていますが、リアリティを追求するうえではとても大事なことだと思います。でも、以前は調整が難しくて“ゼロか百か”みたいなところがありました。今は力の抜きどころもわかってきたような気がします」
―「汝の隣人を愛せよ」を信条としている明日葉。誰もが人に裏切られる可能性は大いにあり得ますが、ティナさんは、誰かに裏切られたことでなにかを学んだご経験はありますか?
「短いスパンでみると“裏切られた”だけで終わるんですけど、後から振り返ってみると、“あのとき私は試されていたんじゃないかな?”みたいに感じることはあります。それに、裏切られたと思うと相手を恨んでしまいたくなるけど、恨んでしまうと相手の思うツボかなとも思うようになりました」
―ティナさんご自身が信条にしていることはありますか?
「常に思っているのは、“なるようにしかならない”ということです。決してネガティブな意味ではないのですが、逆境に立たされてあがいていたとしても、自分にできることは限られていると思うんです。それならはじめから“なるようにしかならない”って思っていたほうが気持ちが楽ですし、物事の対処法としてはそれが一番いいのかなと思っています」
―最後に、撮影真っ最中でなかなか休めないと思いますが、休日にやりたいことを教えて下さい。
「周りにキャンプが好きな人が多いので、必要な準備やおすすめスポットを教えてもらって、私もキャンプに行ってみたいです。去年、渓谷に遊びに行ったのですが、やっぱり自然と触れ合うのはいいなと思います。でも、家で何もせずに過ごすのも好きなので、まとめて時間がとれない間は、自分で作ったご飯を食べてお家でのんびりする時間を楽しみたいです」