大悟でなかったら、この企画はやっていなかった

――もともと、この番組に大悟さんを起用した理由はなんでしょうか? ロケ名人としてのうまさを買ったのか、それとも大悟さんの人間性ありきなのか。というのも、あそこにいるのがノブさんだったら、正直、あまりハマらない気がします。

冨田大介(以下、冨田):そうですね(笑)。もう、最初から『ヤギと大悟』という企画で出しました。企画書を作るときは「(仮)」でタレントさんの名前を挙げて局に出すパターンが多いですが、僕のなかでは「大悟さんじゃないと企画がおもしろくならない」というのがあって。

 大悟さんって、人の懐にすぐ入っていくじゃないですか。ロケでヤギを連れて行く先々では、ポポが雑草を食べている時間をちゃんと作りたいんです。その間、あまりトークが続かない方だと地元の人とのやり取りがすぐ終わって、「ヤギの食べ待ち」みたいな空気になってしまいます。「ポポが食べている間、懐に入り込んでふれあったり、あったかい笑いが作れる人って誰だろうな?」と考えて、大悟さんがパッと浮かびました。

 あと、大悟さんがしゃべるときって、だいたい横にノブさんがいますよね。だから、大悟さんが1人になるとどんなふうにしゃべって笑いを作っていくかすごく興味があって、あえて大悟さんが笑いを作らざるを得ない状況にして(笑)。誰かと出会うまで、大悟さんはずっと一人しゃべりですよね。おもしろい人の一人しゃべりはずっと聞いていられるだろうし。で、横にいるのはポポだから一方通行の会話になるんですけど、そこで優しさも出るし。そういう企画にぴったりだと思って、大悟さんにお願いしました。