鎌倉源氏の縁や織物で栄えた歴史と文化の街・栃木県足利市を舞台に2021年より開催されているアートイベント「路地まちアートランブル」。第2回となる今年は、10月28日(土)より11月5日(日)まで、9日間にわたり開催されることが決定。このたび、同イベントのために書き下ろされた谷川俊太郎の新作の詩『であう』が公開された。

「路地まちアートランブル」は、足利市内の古い路地に点在する古民家や空き店舗などにアート作品を展示し、参加者が「まちをめぐりながら、心も頭も揺さぶる出会いを楽しむまつり」をコンセプトに2021年よりスタート。第1回は、展示会場15か所・展示作家31名の規模で開催され、約1000人の有料鑑賞者を動員した。

2021年度第1回の展示風景

今回は「アートで人と町を考える!」をテーマに、多くの古い路地が存在する足利という「町」と、「町」を作り出す「人」についてアートを通じて掘り下げていく。足利在住のアーティストと市外に暮らすアーティストそれぞれに、内からと外からで見えるものを表現してもらう予定だ。

谷川俊太郎『であう』

谷川俊太郎の『であう』は、同イベントのディレクターを務める岩本圭司(『大岡信ことば館』元館長)が、アートを通じて人と人との出会いを生み出したいという想いを谷川に伝え、今後の取り組みの芯となる言葉をとお願いし生まれた詩。この『であう』を旗印に「路地まちアートランブル」を足利を代表する芸術祭へと発展させていく。

なお現在、イベント運営資金を募るクラウドファンディングを実施中。リターンには出品作家のポストカードや作品などが用意されている。

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谷川俊太郎『であう』

いつかあなたの
たましいにやどる
めにみるもの
みみにきくもの
てにふれるもの

ひかりがあり
かげがあり
やみがあり
ひとりひとり
こころとからだ

つちをふみ
そらをあおぎ
ひびをかぞえ
わらいなき
つくりこわし

ひとはうたい
ひとはおどり
ひとはいのり
ひとはかたどる
ひとはえがく

かぎりない
いのちがいきづく
せかいにいきる
あなたのたましい
わたしのからだ

きょうであう
ここでであう
あすであう
おもいがけない
どこでであう?

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【開催情報】
「路地まちアートランブル2023」

2023年10月28日(土)~11月5日(日)、足利市内各所にて開催