・ソロアルバムを発売したBTS(防弾少年団)のジミンが、韓国ソロアーティスト史上初の快挙を成し遂げた。
・米ビルボード“Hot 100”での1位達成は、発売前「難しいだろう」と予想されていた。
・その理由は、ビルボードが音源ダウンロード数の集計方式を変更したことが影響していると見られる。


米ビルボードチャート“Hot 100”で1位を獲得した、BTSのジミン

BTS(防弾少年団)のジミンが、米ビルボードチャート“Hot 100”で、1位を獲得した。

これまで韓国のソロアーティストでは、2012年にPSY(サイ)が達成した『江南スタイル』での2位が最高順位。

それを超える史上初の快挙という喜ばしいニュースは、韓国の各テレビ局が一斉に報じている。

グループでは、2020年に世界的な大ヒットとなった『Dynamite』で、初めての“Hot 100”1位という栄冠を手にした。

それ以降も、『Savage Love (Laxed Siren Beat)』のBTS Remixバージョン、『Life Goes On』、『Butter』、『Permission to Dance』、イギリスのバンドColdplayとのコラボ曲『My Universe』で1位に。BTSは、計6曲で“Hot 100”の1位という偉業を成し遂げている。

ジミンは、3月24日に初のソロアルバム『FACE』を発売した。

4月2日(現地時間)には、ビルボードのメインアルバムチャート“ビルボード200”で、2位にランクイン。この記録も、K-POPソロアーティストで歴代最高の順位である。

そして今回、メインシングルチャート“Hot 100”で1位に輝いたのは、アルバムタイトル曲『Like Crazy』。同曲は、世界111の国と地域で、iTunes”トップソング”チャート1位を記録している(3月25日9時基準)。

しかし、実は発売前には「大人気のBTSと言えども、ソロで“Hot 100”での1位獲得は難しいだろう」という声が上がっていたという。

その理由は、ビルボードの集計方式が変更されたことが大きかったよう。

2022年1月、ビルボードは音源ダウンロード数のカウント方式を変更。ダウンロードは、1週間に1回のみのカウント、重複ダウンロードは集計に反映されないことになった。

この変更が、他アーティストに比べてダウンロード件数が圧倒的に多い、K-POPアーティストに不利になると言われたのだ。

これは、2022年6月にBTSがアルバム『Proof』を発売した際にも囁かれていた。

BTSは、2022年6月に発売したアルバム『Proof』で”Hot 200″の1位に

同アルバムは、アルバムチャート”Hot 200″では見事1位を獲得したが、収録曲『Yet to come』と『Run BTS』は、”Hot 100″にチャートインしたものの、トップ10には入れなかったからだ。

この時から「いくら大人気のBTSでも、“Hot 100”で1位になるのは難しくなったのか」という声が上がり始めたと言われている。

一方で、1位を獲れなかった理由は、アルバム自体がアンソロジーアルバムという位置づけだったからという分析もある。

アンソロジー:異なる作者による作品を集めたもの、または同一作家による作品集や選集

要は、『Proof』がBTSのこれまでの”集大成”と銘打たれたアルバムであったため、“ベストアルバム”とは多少意味合いが異なり、そもそもビルボードなどのランキングを意識したものではなかったという見方である。

実際にアルバム発売時は、欧米へのプロモーション活動は特に行われず、彼らが選んだのは韓国の音楽番組への出演のみ。事前収録にはファンも参加し、メンバーは久し振りにファンとの収録を喜んでいた。

このように、ビルボードのカウント方式が変更されて以降、BTSは“Hot 100”で1位を獲得していなかった。

そこに入ってきた、「ジミンがソロ曲で1位」というビッグニュース。

「ソロでの“Hot 100”1位は難しい」と予測されていた中での快挙は、日本を含め、多くの海外メディアが報じている。