2017年に東京オペラシティで行われた公演について、作曲者スティーヴ・ライヒ自身が、「これまで聴いた中で最高の演奏だ!」と語ったと伝えられる「コリン・カリー・グループ」が再び来日。ライヒの『18人の音楽家のための音楽』を披露する。

彼らはこれまでの来日公演において、世に名高い“ライヒの三大作品”について、2012年に『ドラミング』を、2017年は『テヒリーム』を取り上げている。そして今回は最後のひとつ、『18人の音楽家のための音楽』を中心据えた演奏が成されるとなれば、現代音楽ファンならずとも気になるところだ。

ライヒが自作演奏に篤い信頼を寄せるパーカッション奏者コリン・カリーと彼のグループ、そしてライヒ作品の声楽パートに欠かせないシナジー・ヴォーカルズという鉄壁の布陣は、NHK-BSでも放送された2017年の『テヒリーム』公演でも圧倒的な演奏を披露。前述のように、ライヒ自身に「これまでに聴いたなかで最高の演奏だ」と言わしめた名演だ。満を持して東京で披露される演奏に期待が募る。

さらには、東京オペラシティほかカーネギーホール、フィルハーモニー・ド・パリ、サウスバンクセンターなど世界7か所の共同委嘱による注目の新作、『トラベラーズ・プレイヤー』の日本初演にも注目したい。

現在86歳のステーヴ・ライヒ(1936〜)は、いまだ旺盛な作曲意欲を持ち続け、その作品が常に新鮮な視点と技法で作られていることはまさに驚異的。最新作がどのような刺激を与えてくれるのか興味津々。

コリン・カリー・グループ
ライヒ《18人の音楽家のための音楽》
4月21日(金) 19時
4月22日(土) 15時
東京オペラシティコンサートホール

コリン・カリー(パーカッション/指揮)
コリン・カリー・グループ
シナジー・ヴォーカルズ

ライヒ:
ダブル・セクステット(2007)
トラベラーズ・プレイヤー(2020)[日本初演]
[オランダ公共放送アムステルダム土曜マチネ、サウスバンクセンター、カーネギーホール、フィルハーモニー・ド・パリ、ハンブルク・エルプフィルハーモニー、バークレー・カルパフォーマンス、東京オペラシティ文化財団共同委嘱]
18人の音楽家のための音楽(1974〜76)