大竹氏は、1999年から北米の湖水地方・ノースウッズをフィールドに、野生動物、旅、人々の暮らしを撮影。2021年には、写真集「ノースウッズ 生命を与える大地」(クレヴィス)で「第40回土門拳賞」受賞した写真家。

 今回の旅を終え、大竹氏は「星野さんが20年かけてやっていた場所をわずか1年5カ月だが、じかに見られたことはありがたいです。星野さんの本の中で見た世界に実際に足を踏み入れ、風を感じました。アラスカにはダイナミックで目くるめくスペクタクルがあった」と感動を伝えた。

 続けて、アラスカについては「短い期間の中で、これほどたくさんのものを知れたことで、この場所が持つ力が星野さんの作品を生み出したのだと思った」と思いをはせた。

 そして、「自然の撮影は賭けのようなところがありますが、今回は奇跡の撮影の連続。星野さんが撮ったクジラも撮れて、オーロラも現れてくれた。星野さんの魂を、現地の人やアラスカの大地から感じて、いかに星野さんが現地で愛されていたのかを知りました。プロジェクトがスタートした時から星野さんへの思いが集まって、いろいろなものが実現したと思うと、単なるラッキーではなくて、全部つながっていると思いました」と思いとともに、手応えを語った。