ステップ(2) 英語独特の発音を覚える

英語には日本語にない独特の発音がある。「r」や「l」、「b」や「v」などはその典型だろう。初期段階でこの音の違いを正しく認識しておくと、リスニングやスピーキングが楽になる。聞き手に余計なストレスをかけることもなくなるだろう。

これをマスターするためには「Phonics (フォニックス)」を使った学習方法が有効とされている。フォニックスとはアルファベットとその正しい発音とを結び付けて覚える音声学習法のこと。日本人が発音しづらい子音の発音もフォニックスのリズムに乗せればテンポよく覚えることが可能だ。 

流し聞きが可能なフォニックスソングはYouTubeから簡単に見つけることができる。

これならコンテンツ料は無料だ。学習材料は幼児向けに作られている動画で十分である。むしろ子供向けだからこそシンプルでわかりやすい。

ただし完璧な発音にこだわる必要はない。実際のところ世界中の至る場所で英語が使われているが、国ごとにクセがあり発音にはかなりの違いがある。地方によって言い回しやイントネーションが異なる方言のようなものだ。

ステップ(3) 語彙力を高める

英語ができない日本人は圧倒的に語彙力が足りていないことが多い。 リスニングにしろスピーキングにしろ、英語を使いこなすためには頭の中の英語のストック量を増やすことが必要だ。語彙が増えれば学習はかなり楽になる。ここで言う「語彙」とは必ずしも「単語」だけを指すのではない。「熟語」や「文章」も含まれる。

英語には「a lot of」や「be able to」など、単語一つひとつの意味を考えるよりも、ある程度まとまりで覚えた方が良い表現が多い。 これは日本語でも同じことが言える。普段から使っていた言葉が「主語・述語・修飾語・接続語・助詞・助動詞……」といった、さまざまな役割を持つ単語の集まりで構成されていたことなど、学校で習ってから初めて知ったはずだ。

語彙はターゲットを絞って覚える といいだろう。日常会話には日常会話に必要な、ビジネス英語にはビジネス英語に必要な語彙があるためだ。ビジネス英語の中には、どの業界にも共通して使える表現があれば、特定の業界で頻出する独特の表現もある。

限られた時間を使って効果的に学習するためには、情報の取捨選択が必要だ。だからこそ単語帳ひとつにしても、自分にとって必要な語彙を学べるベストな学習材料を慎重に選んで欲しい。まずは「ビジネスで使わない表現は不必要」と割り切り、最短ルートで自分に必要な英語をマスターすべきだろう。

ステップ(4) シャドーイング

「聞く」「話す」「読む」「書く」の英語の4技能の中で、最も難しいのは「話す」ことではないだろうか。反射的に言いたいことがスラスラ出てくるようになるためには繰り返しのトレーニングが必要である。必要な場面が訪れた時、咄嗟に英語が口から出てくるかどうかは当然トレーニング量がものを言う。

そこで実践すべきなのは「シャドーイング」だ。これは耳で聴いた英語を、アクセントやイントネーションを違えずにそのまま復唱する方法である。シャドーイングを行うと英語独特のリズム感が身に付き、ネイティブのスピード感に慣れてくる。また熟語や文章で英語を覚えられるため、頭の中で日本語を英語に変換する手間がなくなり、相手の会話に即座に反応しやすくなる。
 
シャドーイングに必要な学習材料は何でも良い。自分にとって必要な語彙が詰まったオーディオブックは特におすすめだ。好きな映画のセリフや歌など、なるべく自分の好きなものと結び付けるのも良い。モチベーションを維持しやすく、学習の継続率が上がるためだ。