大河で名作と呼ばれる作品が多いのは戦国時代か幕末だが、家康はとりわけ人気が高く、これまで滝田栄、津川雅彦、西田敏行、丹波哲郎、松方弘樹、北大路欣也、内野聖陽といった錚々たる名優たちが家康を演じてきた。時に味方として、時に敵役として大河を盛り上げてきた家康だが、彼を語る上で避けて通れないのが、九死に一生を得た三方ヶ原の戦いでのエピソードだ。

「朝倉・浅井の連合軍を姉川の戦いで破り、武将として名を上げた家康は1573年、武田信玄率いる武田軍と三方ヶ原で戦いますが、これに大敗して敗走。死を覚悟した家康は恐怖のあまり馬上で脱糞し、家臣からそれを指摘されて『これは非常食用の味噌だ』とごまかしたと伝えられています。2017年の『おんな城主 直虎』では、“脱糞”のエピソードが具体的に紹介されました。

 今回、家康を演じるのは“あの”松本潤ですから、脱糞シーンはありえないと思っていましたが、第1話ではコミカルな演出が目に付き、大河ならではの重厚さはあんまり感じられませんでした。家康は我慢強く慎重で、質素倹約を貫き、その狡猾さから“タヌキおやじ”と呼ばれた人物。松潤の家康は臆病で庶民的な側面がクローズアップされており、ジャニーズファンからは悲鳴が上がるかもしれませんが、“もしや”があるかもしれません」(大河ドラマウォッチャー)

 物語のリアリティーを取るか、二枚目俳優としてのプライドを取るか、どうする松潤?