さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている今、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。今回はタバコ好きな上司とのコミュニケーションについて悩んでいる人のお話です。
タバコ好きな上司との付き合いに悩んでいます…
私の上司は、勤務前や休憩時間など何度かタバコを吸いに行きます。吸う場所は喫煙所があるため、分煙になっているのですが、私はタバコの臭いがとても苦手で、特に上司のタバコの臭いはかなりきつく耐えられません。
また、上司に呼び出されたときは会議室ではなく、喫煙所でタバコを吸いながら。その時も「タバコ吸っていい?」ときかれましたが、上司なので断ることができませんでした。会社の飲み会中などに「タバコを買ってきて」と頼まれることもありますし、仕事の質問をしたくてもタバコ休憩にでていて質問できない…なんてこともよくあります。スメルハラスメントという言葉がありますが、これもハラスメントとして該当するのでしょうか?(茉央/電子機器製造業/27歳)
スメハラはあり得ます! まずは意思表示からスタート
茉央さんの職場は、電子機器製造業ですと、立場によりますが、男性が多い職場ではないでしょうか。そうすると、禁煙が叫ばれる昨今でも、男性が連れ立って喫煙に立つ姿を見ることは多いように感じます。上司の方がタバコに立つと、勤務前や休憩時間であれ、嫌煙家にはすぐに目につきますよね。タバコの臭いは、10年前・20年前と比較すると、現代においては立派なハラスメントが成立する、スメハラがといわれるハラスメントが確立されています。そもそも、上会議室ではなく喫煙所で吸いながら業務の話をすること自体が不適切とさえ指摘ができますし、飲み会中「タバコを買ってきて」と頼またのであれば、それは拒絶しても何ら問題はないでしょう。とはいえ、上司の方である以上、断りにくいのも事実でしょう。たばこをやめてほしい、とまでは言えなくても、タバコが苦手であることを意思表示してみてはいかがでしょうか。多少、変わると信じています。