3月19日(日) 22時より放送・配信されるWOWOWオリジナルドラマ『連続ドラマW フェンス』の完成披露試写会が3月16日に行われ、主演の松岡茉優、宮本エリアナ、そして脚本を手掛けた野木亜紀子の3名が登壇した。
本作は、ドラマ『アンナチュラル』(18)、『フェイクニュース』(18)、『MIU404』(20)、映画『罪の声』(20) 等、社会派エンターテインメント作品を数多く手がける脚本家・野木亜紀子の新作ドラマ。今回、野木が描くのは2022年に本土復帰50年を迎え、今も世界最大規模の米軍基地を抱える沖縄の現在だ。
雑誌ライターの“キー”こと小松綺絵役の松岡。暴行事件の真相を追っていく中で、沖縄の実情も目の当たりにしていく役どころだ。「このドラマは昨年沖縄をメインに撮影をしました。台本に書かれていることも、その場所で撮っているということも、心と体で感じながら一つ一つ丁寧に撮影しました。みんなで一生懸命撮った作品なので、真っ直ぐに届けばいいと思います」と完成に胸を張って挨拶。オファーを引き受けた際には「勇気がいるけれど、私はもう大人だし責任を持って向き合って、今回の題材をエンターテインメントとして届ける責任があると思った」と覚悟を口にしていた。
沖縄で生まれ育ったブラックミックスの大嶺桜役の宮本は、アフリカ系アメリカにルーツを持ち、2015年にミックスとして初めてミス・ユニバース日本代表に選出された経歴を持つ。オーディションで初主演という大役を掴んだ宮本は「不安だらけでしたが松岡さんに引っ張って頂いて、撮影期間の約2カ月ずっと一緒にいたということもあり、胸がジーンとするような経験をさせてもらいました。また野木さんがブラックミックスの子を使いたいと言ってくださったこともとても嬉しかったです」と抜擢に喜色満面だった。
宮本はドラマ撮影も初体験ゆえに「灰皿とか投げられるのかと思った。それくらい不安だった」と笑わせると、オーディションに同席した松岡は宮本との初対面の印象について「エリアナさんの真っ直ぐな瞳と心に打ち抜かれた。その真っすぐさと大嶺桜との共鳴を私は見たいと思った」と絶賛。すると宮本は「最初に松岡さんは『大丈夫よ!私は受け止めるからね!』と言ってくださって、同い年なのに凄い!と感動した」と松岡の懐の広さを明かして、当の松岡を「そんなこと私言った!? こわっ!? 私物凄く熱意のある人みたいじゃん!」と赤面させていた。
沖縄ロケについて松岡は「市場で買い物をする場面では地元の方々も協力してくれて、そこでエリアナさんが現地のおばあたちと方言確認をしているのが印象的でした」と振り返ると、宮本も「カメラが回っていないところで私にフルーツをくれたりして、とても温かい現場でした」と地元民の優しい人柄に感謝していた。
100人以上の関係者に取材して脚本を書き上げた野木は、本作を女性2人のバディものにした理由について「性的暴行事件を追う内容なので、主人公を男性にしたら説明しなければいけないこともある。それだと話がなかなか前に進まない。それに加えて色々な世代の女性たちが出てくることを目指した結果、女性の物語になった」と解説。