本作には企画の段階から関わり、俳優としてだけでなく制作の立場からも支えてきたという沢村は、竹内に「ある意味で不器用」との印象を抱いたと述べ、「だからこそ、一生懸命さが伝わる」と表した。それに対して、竹内は「そんなに器用な人間ではないのは、自分でも理解しています」と頷き、「今回の役でいくつかの人格が入れ替わるというところなども、その“熱量”というか、いかに本当にしていくかが大事で。そこに本気でぶつかっていって、沢村さんが受け止めてくれたことでうまくいったというところはあります」と手応えも明かした。

 一方、竹内は沢村との共演を以前から待ち望んでいたそうで、「沢村さんの人柄を拝見していて、絶対に打ち解けられるだろうなと思っていたんです」とうれしそう。今回のドラマのプロモーションで、竹内が入れたスペシャルティーコーヒーを飲む機会があったという沢村は、「本当においしかった。本物のおいしいコーヒーの味を覚えちゃったんで、これから大変」と絶賛。竹内は「もっとおいしいのがあるんで、ぜひ飲ませたいな」とにこやかに応えた。

 今回、竹内が演じるのは、解離性同一性障害という、いくつかの人格が入れ替わって現れる症例がある難しい役どころ。「DIDという症例を決めつけるのはよくないな、と思っていて。DIDという広いテーマの中で何をピックアップしてやるべきかという決断が、今回の難しい点でした。突き詰めるほどに広く、決して一括りにはできない症例だと思うので、監督やプロデューサーとも相談しながら決めていきました。苦しかったところもありましたが、いろんなアイデアも出して楽しくやらせていただきました」と役作りにも触れた。