本郷が演じる郷は、天涯孤独にして一文無しの詐欺師。金に困った郷は、裕福で品行方正な佐々木家に狙いをつけ、経歴を詐称し一流家庭教師として潜入する。持ち前の口のうまさで佐々木家に取り入ることに成功したが、実はその家族はそれぞれ窃盗・詐欺・恐喝と郷以上の犯罪に手を染めるとんでもない“犯罪一家”だったことが明らかになる。しかし、当の家族は犯罪者としての顔をお互いに隠し、幸せな家族として過ごしている。早々に詐欺師の正体がばれた郷は、家族一人一人に「協力しなければ正体をばらす」と脅され、それぞれの家族の犯罪の片棒を担ぐ二重生活を余儀なくされることに。家族にも秘密にしている本当の姿を、他人である郷には見せる佐々木家。そんな彼らを目の当たりにし、悪人の郷が、それぞれの犯罪に巻き込まれながら、図らずも家族の再生を手伝っていくことになる。
作品の印象を「面白そうな企画だったので、“ぜひ演じてみたい!”と思いました。泥棒や詐欺などの犯罪をしている主人公がターゲットとして近づいた家族は、自分よりも悪いことをしている雰囲気が漂っている。新しくてユニークな内容だと思いました」と明かす本郷。
物語に関しては「話が進むにつれて家族それぞれにヤバそうな事情がどんどん出てきて、とても続きが気になる脚本でした。かなり個性的な作品かと思いきや純粋な家族愛もテーマとして描かれていたり、最終的には郷自身の成長もあるので、絶妙なバランス感の作品だと思いました」と話し、「詐欺師として家族に近づきますが少し詰めが甘く、結果的に家族に振り回されてしまうのが郷です。根っからの悪人ではなくどこか心優しい一面も持ち合わせているので、愛されるキャラクターになるよう演じたいと思います」と役作りにも触れる。