ウィリアム皇太子と、ダイアナ妃(1991年) Photo: Peter Brooker/Shutterstock
イギリス王室のウィリアム皇太子は、ホームレス支援が進んでいない現状に、母である故ダイアナ元妃が不満を抱いているのではないかと考えているようだ。
このたび慈善団体「Comic Relief」は、ウィリアム皇太子がポッドキャスト番組の収録に参加している動画を公開した。
この中でウィリアム皇太子は、「私の母は、私が幼いころからホームレスの問題に関心を持たせてくれました。これにはとても感謝しています」と述べると、「母がこの問題と向き合っていたころと比べると、ホームレスの支援や対策がまったく進んでいないように感じます。母も失望しているのではないでしょうか」と問題提起した。
現在40歳になるウィリアム皇太子が、幼いころ母親の故ダイアナ元妃に連れられてホームレス向けのシェルターを訪問していたことはよく知られたエピソードだ。それ以来、ウィリアム皇太子も積極的にホームレス支援にたずさわっている。
番組では、ホームレスの支援を行う慈善団体「Groundswell」から実際に支援を受けたというナウシンさんとマイルズさんが自らの体験を語る場面も。
ウィリアム皇太子は2人に向かって、「私は今日、あなたたちが経験したホームレス生活についてお話をうかがいたいと思い、ここに来ました」と語りかけた。
ナウシンさんは「私の話はどちらかと言うと複雑なのですが」と切りだすと、「私は精神病院を退院したばかりでした。5年ほど前のことですが、とても暗く、困難な時期を経験したのです」と続けた。
さらに「ホームレスは、安全な場所がありません。孤独な暮らしです。存在してるけれど、生きているわけではない」と語ったナウシンさんは、「そんな中で『Groundswell』はホームレスを経験した人たちの声を外に届ける手助けをしてくれています。彼らに聞けば、解決策を見出すことができるのです」と訴えた。