クリス・ロックと、ウィル・スミス Photo: Frank Micelotta/FX/Picturegroup/Shutterstock, Rob Latour/Shutterstockクリス・ロックと、ウィル・スミス Photo: Frank Micelotta/FX/Picturegroup/Shutterstock, Rob Latour/Shutterstock

前代未聞の「ビンタ事件」から約1年、クリス・ロックウィル・スミスについて言及し話題となっている。

3月4日(土)、ネットフリックスにてコメディアンのクリス・ロックによる特別番組「クリス・ロックの勝手に激オコ」が公開された。約1時間の番組内では因縁のある俳優ウィル・スミスとその妻ジェイダ・ピンケット・スミスについても触れられているが、その一部分が編集でカットされたという。

昨年3月27日に開催された「第94回アカデミー賞授賞式」にて、プレゼンターとして登壇したクリス・ロック。ステージ上でクリスが、ウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの髪型をからかうようなジョークを言ったところ、ウィルがこの発言に激怒し、ステージにあがってクリスを思いっきり平手打ちをした。そしてウィルは、席に戻った後も放送禁止用語を使ってクリスに罵声を浴びせた。

この騒動の直後、ウィルは自身のキャリア初となる最優秀主演男優賞を受賞したが、暴力行為に至ってしまったことを反省したうえでアカデミーのメンバーを退会。主催者側からは今後10年間のアカデミー関連イベントへの出席禁止という処分を言い渡された。

そんなスミス夫妻との関係について、クリスは特別番組の終盤でジョークまじりに語ろうとしたが、どうやら失敗してしまったようだ。

カットされた部分にてクリスは、2016年に自身が第88回アカデミー賞授賞式の司会をつとめた際、スミス夫妻と交わした会話を振り返っている。

この中で「数年前、彼の妻がオレのところにやってきて、『もう司会をしないほうがいい』って言ったんだ。彼女の夫が『自由への道』でノミネートされなかったからってさ」と語ったクリスだったが、『自由への道』は2022年にウィルが出演した作品。作品を言いまちがえてしまったクリスはその後、「いや、『自由への道』じゃなかったな。ジョークを失敗してしまった」とにごしている。

どうやらクリスは、ウィル主演の映画『コンカッション(“脳しんとう”という意味)』(2015)と、平手打ち事件を絡めたジョークを言いたかったようだ。この作品でウィルは、アメフトによる脳震盪(のうしんとう)が脳に深刻なダメージをおよぼすことを立証した、実在する医師ベネット・オマルを演じていた。