テレビ朝日系連続ドラマ「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」(土曜午後11:30)がクランクアップを迎えた。高橋一生、橋爪功、本田翼そろっての最後の撮影現場でサプライズ花火が打ち上がり、おのおのが夜空に思いをはせた。

 「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」は、地方都市で代々続く煙火店(=花火店)の4代目となる父・望月航を橋爪が演じ、その息子・星太郎に高橋が扮(ふん)する。やがて「すまん…」という一言を残して航が亡くなり、星太郎は1人で途方に暮れることに。しかし数カ月後、死んだはずの父親が、当たり前のように日常に現れる。高橋と橋爪がタッグを組み、ヒロイン・水森ひかり役に本田を迎えて、花火師親子の不思議な日常を描く心温まるファンタジーだ。

 まだまだ寒さの残る夜の山梨県での撮影は、星太郎、航、そして、ひかりの3人がそろって花火を打ち上げ夜空を見上げるという、このドラマのハイライトとも呼べるエモーショナルなシーンとなった。

 すべての撮影を終えた3人は、安堵の表情でほほ笑み、スタッフから花束を渡された本田が「お疲れさまでした! 大先輩の高橋一生さん、橋爪功さん。大大先輩のお二人とこうやって一緒にお芝居させていただくことができて…! ありがとうございます! すごく楽しい現場でした。本当にありがとうございました!!」と語ると、橋爪が名残惜しそうに近づいて、何やらアイコンタクト。本田は「そんな目で見ないでください(笑)」と返して現場に笑いが起こり、撮影で培ったチームワークのよさを、あらためて見せていた。

 続いてあいさつを促された橋爪は「皆さん、ありがとうございました! 翼くんが喜んでくれてほっとしました(笑)。そして、一生さん、本当にありがとうございました!! 以上です!」と短く思いを伝え、笑いの渦はさらに大きなものになり、共にタフな撮影を駆け抜けたスタッフも皆が笑顔で、寒空を忘れさせる温かさが現場に満ち満ちた。

 そして、座長を務めた高橋は「思い返せば一昨年、プロデューサーさんと『コロナ禍でお祭りや花火が少なくなりましたね』とお話しさせていただいて…まさか、このような作品につながるとは思ってもいませんでした。本来、花火というのは鎮魂のために始まったと聞きました。なんだか寂しかった、この2、3年が、少しでも報われるといいなと思いお芝居をしてきました」と回想。

 加えて「花火監修でご協力いただいた丸玉屋小勝煙火店の皆さんが喜んでくださったのが、僕としては本当によかったと思っています。名残惜しいからと、作品を終わらせまいとして、時間を押そうとする作戦も立ててらっしゃったとお聞きしましたが…今日、これで打ち止めです(笑)。記憶に残る花火を作っていただきまして、心から感謝いたします。また、皆さんとお会いできるよう精進してまいります。ありがとうございました!」と感謝の言葉を述べた。

 高橋の言葉から、“もう1人の主役”とも呼べる花火が、今作にとって最も重要であったことをキャスト・スタッフ全員が認識し、見事にそれに応えてくれたことに感謝の意を込めた大きな拍手が巻き起こった。そして、なんと“手締め”の代わりに、丸玉屋小勝煙火店からの粋なプレゼントとして、打ち上げ花火で締めることに。

 劇中で高橋と本田はスイッチをすでに押していたため、この日は橋爪が発射のスイッチを初体験。これには橋爪も思わず「やった!」と少年のような表情を見せ、少し緊張の面持ちでスイッチを押すと、“三三七拍子”のリズムで、夜空に見事な花火が打ち上がり、クランクアップを彩った。

 物語もいよいよ佳境となり、3月11日放送・第9話では、航が別れた元妻で、9歳の自分を置いて家を出た母・理代子(原田美枝子)と“愛人関係”を続けていたことを知った星太郎が激昂。ひかりに共犯を持ちかけ、現在の理代子の夫にすべてをぶちまける計画を立てるが、誰もが予想だにしない方向に向かう。やがて、理代子と約30年ぶりの再会を果たして星太郎だが、彼女の思わぬ行動に衝撃を受ける。そして、理代子からいったいは一体何が語られるのか?

提供元・TVガイドWeb

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