◆誰が直木(佐藤健)を殺したのか

 本作の一番の注目ポイントは“誰が鳥野直木(佐藤健)を殺したのか”です。8話では田中希也(永島敬三)が練炭自殺を図った車内から、直木を殺害したと思われる剪定バサミが見つかりました。表面的には罪の意識にたえられなくなった希也が自殺した、と言えそうですが、そんなわかりやすい筋道だとは考えにくい。

 そもそも、希也は死ぬ前に池澤英介(荒川良々)と会っており、自殺したのかも疑わしい。やはり、何かと闇が深そうな英介が直木殺しの最有力候補ですが、それはそれでわかりやすすぎる気もします。

 また、「犯人を主要キャストから導き出す」という下品かつ邪道な推理をすると武藤千代(神野三鈴)も怪しい。しかし、ここに来て「千代が犯人でした」という展開もさすがに安直です。

◆直木の弟・拓海が何らかの鍵を握っている?

 怪しい登場人物を外すといよいよ候補がいなくなります。ただ、これまで姿を現してはいないものの、キーマンになりそうな存在が他にもいます。それは直木の8つ下の弟である拓海です。拓海は難病を抱えており、幼少期に直木から数回にわたる骨髄移植を受けています。直木とは兄弟というだけでなく、病気に関する何らかの接点が伺える謎大きき存在。そもそも、今現在どこにいるのかさえわかりませんが、残りの話に絡んでくることはほぼ確実です。実は直木自身の人間関係のいざこざが、殺人の要因になったのかもしれません。