アレックス・マードックと、殺された妻マーガレットさん Photo: Shutterstock
妻子を殺害した元弁護士の男に、終身刑が言い渡された。
終身刑が言い渡されたのは、地元でも有名な法曹一家の後継者として知られた、元弁護士のアレックス・マードック被告だ。
彼は2021年、自宅敷地内で妻マーガレットさんと息子ポールさんを射殺したとして逮捕・起訴された。
マードック被告は一貫して無罪を主張していたため、彼の証言の信ぴょう性が争点となっていたが、5週間にわたる裁判の末、被告がウソをついていたことがあきらかになった。
そのため3月2日(水)の最終評決では、「2件の殺人罪と2件の暴力犯罪の遂行における武器所持罪」の4つの罪状で有罪とされていた。
翌3日(金)、サウスカロライナ州裁判所はマードック被告に仮釈放なしの終身刑を言い渡した。
判決前、マードック被告は判事に向け、「どんなことがあっても、妻マギーと息子ポールを傷つけるようなことはありません」と訴え、再度無罪を主張した。
しかしクリフトン・ニューマン判事は、「あなたではなかったのかもしれない。あなたが、モンスターとなってしまったのかもしれない」と告げ、判決を言い渡した。
その後クリフトン・ニューマン判事はこの事件について、「もっとも厄介な事件の一つ」と評した。
「法曹界では有名な一族の一員であるあなたは、私より先に弁護士として開業し、さまざまな場面で顔を合わせてきた」とマードック被告に語りかけたニューマン判事は、「事件当初、悲しみにくれる父親であったあなたが、彼らを殺した罪で有罪判決を受ける人物になるのを見るのは、私にとって特に心が痛むものだ」と付け加えた。
マードック被告はかねてより鎮痛剤への依存におちいっており、法律事務所や顧客から多額の資金を横領して薬物の購入にあてていた。妻子の殺害は、この事実が発覚することをおそれてのものだったと見られている。
現在ネットフリックスでは、マードック家の殺害事件をまとめたドキュメンタリー作品「マードック家殺害事件:法曹一族の裏の顔」が配信中。