・韓国だけでなく、日本や中国など世界中で愛されている韓国ドラマ。
・毎年数々の名作が登場し人々に感動を与えているが、遡ること7年前、国民の選挙への関心度が高い韓国で、選挙特番よりも高視聴率を記録したドラマがあったという。
・今回は『KBS 50年史』アンケートの結果と共に、選挙の結果よりも韓国人が夢中になった韓国ドラマをご紹介する。
韓国国内だけでなく、日本や中国など世界中で愛されている韓国ドラマ。
毎年数々の名作が登場し人々に感動を与えているが、遡ること7年前、国民の選挙への関心度が高いことでも知られている韓国で、選挙特番よりも高視聴率を記録したドラマがあったという。
そのドラマは2023年1月に実施されたKBSのアンケートで1位を獲得。現在でも絶大な人気を誇るそのドラマとは一体、どんな作品なのであろうか。
今回は『KBS 50年史』アンケートの結果と共に、選挙の結果よりも韓国人が夢中になった韓国ドラマをご紹介する。
KBS史上最高のドラマとは?
KBSが3月3日に公社創立50周年を迎える。
公営放送として50年わたりテレビ界を盛り上げてきたKBSは、これに先立ち『KBS 50年史』の発行のため、一般人を対象にしたアンケート調査を実施。
1月にKBSの『国民パネル』を通じ、全国の満19歳以上の成人男女1079人を対象にインターネット調査が行われ、”公共放送KBS 50年最高の番組”が選定された。
報道、時事教養、ドラマ、芸能の4部門で調査が行われており、それぞれ事前に選ばれた10番組の中から国民が投票する方式だ。
その結果、ドラマ部門で第1位に輝いたのはKBS『太陽の末裔(2016)』という結果に。
放送当時、世界中で話題騒然となった『太陽の末裔』は、現在でも多くの人々の心に強い印象を残しているようだ。
世界中が熱くなった『太陽の末裔』
『太陽の末裔』は職業軍人と女性医師の壮大なラブロマンスを描いた作品だ。韓国から遠く離れた紛争地帯を舞台に物語が展開し、時にハラハラとする展開が視聴者の興味を引く。
主演を務めるのはソン・ジュンギとソン・ヘギョ。その他にもジング、キム・ジウォン、SHINee(シャイニー)のオニュなど、豪華キャストが名を連ねている。
物語の舞台が海外であることから、劇中にはギリシャのザキントス島やリムノス島などの美しい景色が登場。ストーリーと共に楽しめる映像美も見どころの1つだ。
そんな『太陽の末裔』は初回放送時から全国視聴率14.3%と、高視聴率を記録。
低迷期に陥っていた地上波ドラマを再び盛り上げたドラマとも言われ、放送を重ねるごとに最高視聴率を更新。最終回では驚異の38.8%を達成している。
その人気は韓国に止まらず、日本や中国、英国、フランス、サウジアラビアなど世界各国に輸出され、世界的ブームを巻き起こした。
英国の公共放送であるBBCは当時、”韓国の軍隊ロマンスがアジアを席巻している”と報道しており、韓国ドラマ人気が絶頂に達したと絶賛。
さらに規制が厳しい中国でも『太陽の末裔』に対しては規制を緩め、韓国と同時間帯に視聴できるようにしていると人気ぶりを伝えている。
総選挙よりもドラマに夢中になった韓国
世界中で人気の猛威を振るった『太陽の末裔』だが、韓国での人気ぶりがうかがえる、あるエピソードが注目されている。
『太陽の末裔』の終盤、韓国では選挙シーズンを迎えており、第15話が放送された2016年4月13日には、第20代総選挙が行われた。
韓国は国民の政治熱が高いことでも知られている。国を上げた一大イベントの総選挙には大きな関心が寄せられ、与党の惨敗などの結果からも国内では盛り上がりを見せていた。
当日は放送各社が選挙特番を放送し、出口調査の結果を公開している。
そんな選挙当日に放送される『太陽の末裔』の第15話は、視聴率の低下が見込まれていたが、人々の関心が離れることなく、視聴率34.8%を記録。
さらに詳しく見てみると、KBS、MBC、SBSの地上波3社による選挙放送の平均視聴率を全て合わせても、『太陽の末裔』の視聴率には及ばないという驚きの結果となった。
韓国の選挙熱を圧倒するほどに国民を夢中にさせ、選挙結果を上回る関心を集めた『太陽の末裔』。
放送終了後も世界での人気ぶりや、共演者同士の交際や結婚など、長期にわたってドラマに関連したニュースが話題となった。
主演を務めたソン・ジュンギやソン・ヘギョの今後の活躍にも、期待が寄せられている。