『ロード・オブ・ザ・リング』 Photo: Moviestore/Shutterstock『ロード・オブ・ザ・リング』 Photo: Moviestore/Shutterstock

ロード・オブ・ザ・リング』の新作について、疑問視する声が多く上がっているようだ。

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEOデヴィッド・ザスラフは、先日行われた投資家との四半期決算説明会で、同社からさらに多くの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ作品が公開されることを発表した。

また、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズグループの共同会長マイケル・デ・ルカとパム・アビーは、「2つの三部作に愛情を込めて詰め込んだ、(原作者)J・R・R・トールキンが夢見た広大で複雑でめくるめく宇宙は、まだほとんど映画化されていない」と語っている。

一方、これまで公開された『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』の6作品を合わせると、合計20時間にもなり、観客にとっては「もう十分」であるとも考えられる。

過去に『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズがアカデミー賞の複数部門にノミネートされていることを考えると、苦境に立たされているワーナー・ブラザース社が新作の製作に乗り出すのは自然な動きだが、過去20年間に公開された作品の中には酷評を受けたものもあった。

2013年、ポスト紙の批評家ルー・ルメニックは同年に公開された映画『ホビット 竜に奪われた王国』について、「J・R・R・トールキンの『指輪物語』の300ページにおよぶ前日譚を、企業の財源を満たすためだけに容赦なく水増ししたものだ」と酷評していた。

さらにその後はカナダとイギリスで同作のミュージカルも公開されたが、散々な結果に終わっている。

また、アマゾンが7億1500万ドル(約975億8000万円)もの巨額を投じ、プライムビデオで配信されたドラマシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」(2022-)も、批評こそ賛否がわかれたものの、視聴者の反応が良かったとは言えないものだった。

ワーナー・ブラザースがすべきことは、過去の栄光にとらわれることではなく、世界中の人々がおどろくような次のオリジナルストーリーを探すことかもしれない。