バックストリート・ボーイズ:撮影KAZUMICHI KOKEI
ついに、史上最高のスーパー・グループ、バックストリート・ボーイズが来日し、東京有明アリーナで3日間のコンサートを行った。本来、2019年10月に実施予定だった東京公演は、台風のためキャンセルに。東京には約10年ぶりのリベンジマッチとなり、待ちわびたファンを大いに喜ばせた。
バックストリート・ボーイズは、2023年4月に結成30周年を迎える予定だ。2019年1月にリリースした通算9作目のオリジナル・アルバム『DNA』は、全米アルバム・チャート<ビルボード HOT200>で初登場1位を記録するなど、未だにレジェンド級の人気を誇っている。そんな彼らの今回の公演は、なんとデビュー当時のオリジナル・メンバー5人そろってのステージとなった。
圧巻のパフォーマンス! これぞ伝説のボーイズグループ!
平日にもかかわらず満席の有明アリーナ。日本人以外の姿も多く見られた。開演時間が過ぎ、会場内が暗転した直後、オープニングの「Everyone」に合わせて、メンバーの5人が現われた。彼らの姿を見た途端、オーディエンスからは割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こる。そのままデビューアルバム『バックストリート・ボーイズ』収録曲の「I Wanna Be With You」を熱唱。
4曲目の「Don’t Want You Back」のあとは、BrianのMCが始まった。「Thank you guys! 皆さん、バックストリート・ボーイズのワールドツアーに来てくれてありがとう!」さらに、日本語で「ありがとうございます!」と感謝の言葉を伝え、「これまでバックストリート・ボーイズのコンサートに来たことがある人!?」と、英語でオーディエンスに質問を投げかけた。大きな歓声と共に、たくさんの手が挙がる。「じゃあ初めての人!」またも、たくさんの手が挙がった。「とにかく今夜は楽しんで欲しい!」そう言って、ソロ曲「Nobody Else」を歌いあげた。
その後は、また5人で本ツアーのタイトルアルバムである『DNA』収録曲「New Love」を熱唱。続いて「Get Down」を歌いあげたあと、HowieのMCへ。「東京、ジャパン! 来てくれて嬉しい」と英語で挨拶したあとは、日本語で「こんにちはー! 元気ですか?」とオーディエンスに呼びかけた。「ずっと日本に来たかった! ここに立ちたかった! 今夜は戻ってこれて嬉しい! 皆さん本当にありがとう!」そしてそのまま、ソロで「Chateau」を歌いあげた。「どうもありがとう、ジャパン(日本語)!」
まさにBackstreet’s Back! 名曲「Everybody」の歌詞で喜びを爆発
衣装チェンジのあとは、再び5人全員で名曲「Show Me The Meaning」を熱唱。「Undone」では、スタンドマイクを使ったパフォーマンスで、メンバー5人がバッチリ揃った美しいフォーメーションを見せた。「More Than That」のあとは、NickによるMCが始まった。
「こんにちは、トーキョー!! こんばんは~」いきなり日本語での挨拶から始まり、観客は大歓喜! 「今夜の気分はどう?」英語での問いかけに、オーディエンスが「イエーーーーーー!」と応える。「バックストリート・ボーイズが、日本にバックし(帰ってき)たぞ!!」というNickの言葉に、さらに盛り上がる観客。「愛してます」と日本語で愛を伝えたあとは、観客に「Backstreet’s Back」コールを要求。客席から湧き上がる「Backstreet’s Back」の掛け声に、ご満悦のNick。そのままBackstreet’s Back~♪と「Everybody」のサビを歌うと、客席からはalright!と掛け声が。「なんと30年だ! 30年になるんだよ! 信じられないことにね」と、Nickは今年デビュー30周年になる喜びを爆発させた。そしてソロ曲「The Way It Is Talk Music」を熱唱。
▼Backstreet Boys - Everybody (Backstreet's Back)
またメンバー5人揃っての「Chances」を歌いあげたあと、名曲「Shape of My Heart」を。AJは階段に座ってノリノリで歌い、NickとHowieが2人で大きなハートマークを作るなど、ファンサービス満点の楽しいステージを見せてくれた。続く「Drowning」のあとは、KevinとAJが舞台前方へ。「Good evening, Tokyo?」AJのMCが始まった。「こんにちは(日本語)。」「今夜は楽しんでるかい!?」「東京に戻って来れて嬉しいよ。しかも1夜だけじゃない、2夜でもない、3夜だ!」「ありがとうございます(日本語)。Thank you so much. We miss you!」長い間、東京のファンに会えなかった気持ちを伝えたAJ。「皆に会えて本当に嬉しい! ありがとう、愛してる!」
続いて、KevinのMCが始まった。「こんばんは、東京(日本語)! Good evening, Thank you so much. ありがとうございます(日本語)」「AJが言ったとおり、僕たちは日本に戻ってこれて本当に嬉しい。」「音楽を楽しんでるかい?」盛り上がるオーディエンスの目の前に、ステージには黒い囲いが2つ現われた。
まさかの生着替え!? バックストリート・ボーイズは、今も確かにアイドルだ!
「これから衣装チェンジするよ」「クイックチェンジをね」「バイバイ、クローズ(服)」と言い、AJとKevinの2人はその中に入っていく。「この場で着替えたらどんな感じ?」なんとその中で2人が着替え始めたのだ。するとAJが脱がれたブーツが囲いから外に投げた。さらには2人が脱いだズボンをパーティションに掛けると「キャアアーーーー!!」とオーディエンスが湧き上がった。
長身のKevinは上半身裸になっているのが確認できる。『DNA』アルバムの説明をする2人だが、観客の視線は2人の生着替えにくぎづけ。しかしさらにこのあと、信じられないファンサービスが。サイン入りのパンツ(ブリーフ)をチラリと見せるAJとKevin。客席からは笑い声が漏れたものの、なんと、それを客席に向かって投げたのだ! 「キャアアアアアアーーーーー!!!!!!!」半狂乱の客席。
ベテランの彼らにこんな言葉を使って良いのか迷ってしまうが、まさに「アイドル」の頂点だと感じた。いや、確かに20年前はアイドル的な人気だったはずだ。One DirectionやBTSのような世界中から熱狂的にファンから愛されるアイドルグループの1つであることは間違いない。バックストリート・ボーイズは、今も確かにアイドルだ!
なんと今年デビュー30周年! 「君たちは世界中でも最高のファンだ!」
ひとしきりの盛り上がりを見せたあと、また5人が揃ってステージへ。「Quit Playing Games (Visual Content)」のあとは、1997年リリースの有名曲「As long As You Love Me」を。オーディエンスの盛り上がりもひときわ大きく、観客が皆当時に思いをはせていると、次は2019年リリースの「No Place」が。モニターにはMVが流れ、このMVは皆の家族が登場しているんだ、とメンバーが説明を入れた。昔の曲も、今の曲も、本当に素晴らしい。
そして5人全員でMCへ。「30年だよ!」と、デビュー30年についての喜びを語り始めたメンバー。一時的にKevinが脱退したとはいえ、デビュー当時と同じメンバーで30周年を迎えられるグループは本当に少ないだろう。彼らが「信じられない」と言うのも頷ける。そしてそれを支えてくれたファンに感謝の言葉を。「サンキュージャパン! 君たちは世界中でも最高のファンだ!」
そして美しいアカペラで「Breathe」が始まり、会場中から手拍子が。続く「Don’t Want to Love You Now」では観客がスマホのライトを点灯し、会場中が美しい光に包まれた。これぞ、男性ボーカルグループの王者とも言うべき、美しいバラード曲が続き、オーディエンスはそのハーモニーに酔いしれた。「All I Have To Give」を歌い終えたあとは、5人全員が帽子を使ったパフォーマンスをバッチリ決めた。
そして公演はクライマックスへ。代表曲「I Want It That Way」は大合唱の嵐!
またもや衣装チェンジをして現われたバックストリート・ボーイズ。さきほどのバラードソング集とは打って変わってノリノリソングを歌い始める。「Everybody (Backstreet’s Back)」で開場をヒートアップさせたあとは、4曲のメドレーを歌いオーディエンスの興奮も最高潮へ。「The One」を歌う際にはメンバー達がオーディエンスにTokyo! Put up your hands! とあおり、さらに盛り上げていた。
そんなピークの熱気の中、ついに最後の曲のイントロが鳴り響いた。すると、オーディエンスからは今日一番の歓声と拍手が。その曲とは、YouTube11億回の再生回数を誇り、バックストリート・ボーイズを代表する曲、いや90年代を代表する曲とも言っても過言ではないだろう「I Want It That Way」。Tell me why♪ Ain’t nothin’ but a heartache~♪オーディエンスは大合唱の嵐となった。
そして、アンコール。
「Don't Go Breaking My Heart」と「Larger Than life」を歌いあげ、バックストリート・ボーイズの公演は幕を閉じた。
今年でデビュー30周年となるバックストリート・ボーイズ。メンバーは40~50代の年齢にも関わらす、約2時間ものステージを完走した。デビュー当時と変わらない圧倒的な歌唱力と、軽やかなステップによるダンス。これぞ史上最高のグループだ、とでも言わせるような風格を漂わせていた。筆者はデビュー当時はまだ学生だったが、クラスに1人はファンがいたような気がする。まさかあれから数十年経っても、これほどに感動させられるグループだとは思わなかった。
3日間の東京公演を大盛況に終えたバックストリート・ボーイズは、2月18日Twitterに日本のファンへ向けて、感謝の言葉を投稿。
「サンキュー東京 It had been far too long since we last visited. Thanks for always welcoming us back with open arms!(僕たちが最後に訪れてから、あまりにも長い時間が経ちました。 いつも両手を広げて僕たちを歓迎してくれてありがとう!)」
ぜひ、また次の来日で伝説を更新して欲しい。
(ライブレポおわり)