4.ロシアン・ブルーの飼育のポイント
ロシアン・ブルーはダブルコートの被毛をもっており、換毛期には抜け毛が多くなりますが、その時期に限らず、皮膚や被毛の健康を保つためにも週1~2回程度はブラッシングをしたいものです。
もちろん、耳や歯、爪などのグルーミングは必要になるので、子猫のうちから少しずつ慣らしておきましょう。また、ロシアン・ブルーは賢く、刺激を必要とするタイプなので、ゲーム性のある遊びなど取り入れてあげるとストレス発散にもなります。
加えて、身体能力も高く、ジャンプも得意です。ちょっとした隙間から脱走したりしないよう、脱走防止対策も忘れませんように。
5.ロシアン・ブルーのかかりやすい病気・ケガ
ロシアン・ブルーは健康的な猫種ですが、やはり気をつけたい病気やケガもあります。たとえば、糖尿病や腎臓疾患、尿石症、歯のトラブル、毛球症、脱走による事故など。
歯周病は歯だけの問題ではなく、進行すると歯周病菌の毒素が血流に乗って全身に回り、心臓疾患や腎臓疾患など他の病気に悪影響を与えてしまうことがあるので軽く考えることはできません。可能な限り歯磨きをするとともに、日々のお手入れのついでに歯や口の中のチェックもするようにしましょう。
若齢~成猫
子猫~若い猫では、以下のような病気・ケガには気をつけましょう。
事故・ケガ
特に若い猫では好奇心からちょっとした隙間から外に出てしまうこともある。また、誤飲にも注意を。毛球症
毛づくろいの際に飲み込んでしまった毛が吐き出しも排泄もできない場合、最悪、腸閉塞を起こし、手術が必要になることがある。熱中症
北方出身のロシアン・ブルーは暑さに弱いと言われる。特に子猫はまだ体温調節が十分にはできないため、暑い時期の熱中症には注意を。
成猫〜高齢猫
そして、成猫~高齢猫では、以下のような病気に注意が必要です。
尿石症
成分により、いくつか種類がある結石の中で、猫ではシュウ酸カルシウム結晶とストルバイト結晶が多いと言われる。慢性腎臓病(慢性腎不全)
ウイルス感染や免疫疾患による腎炎、尿路閉塞、外傷、中毒などによって腎臓の機能が低下する腎臓疾患。老齢の猫での発症が多く、死亡率が高い。糖尿病
通常、体には血糖値を一定に保つ機能があるが、遺伝や感染症、他の病気などに起因して慢性的に高血糖となってしまう病気。重度になると合併症や失明などのリスクがある。関節トラブル
コーネル大学の猫保健センターによると、中年期~10歳以上の猫のほとんどが関節炎をもっているという研究結果もあるそう。腫瘍・癌
高齢になるほど腫瘍・癌のリスクが高まる。皮膚腫瘍の場合、猫では半数以上が悪性と言われる。認知症
食事やサプリメントで認知症予防を心がけるとともに、シニア期に入ったなら愛猫の行動にも注意を。
6.ロシアン・ブルーの平均的な寿命は?
ロシアン・ブルーの平均的な寿命は、国際猫協会(TICA)によると10歳~20歳程度。一方、一般社団法人ペットフード協会の「令和3年全国犬猫飼育実態調査」では、日本の猫の平均寿命は15.66歳となっています。
中には25歳まで生きる猫もいるようですが、ロシアン・ブルーの寿命には大きく幅があると言っていいでしょう。
7.まとめ
ロシアにおいて、ロシアン・ブルーは幸運の象徴であったといいます。ロシア皇帝は病気の我が子のために、悪霊を払うと信じてロシアン・ブルーを身近に置いたという話が残されており、神秘的な風貌が人々をそう信じさせたのかもしれません。
そう聞くと、すぐにでもロシアン・ブルーが欲しくなるかもしれませんが、猫は生き物。食事や健康管理など必須です。自分に十分飼育が可能かを考えて、猫をお迎えください。
愛情を注いだ分、きっと彼らはみなさんにとっての“幸運の象徴”になってくれることでしょう。
(文:犬もの文筆家&ドッグライター 大塚 良重)
※猫は生き物であるため、寿命や性格・気質、行動、健康度などには個体差があります。
【参照元】
・The International Cat Association(TICA)「The Russian Blue Breed」
・THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION「About the Russian Blue」
・ASIA CAT CLUB「ロシアンブルー – Russian Blue」
・E-GOV法令検索「昭和四十八年法律第百五号 動物の愛護及び管理に関する法律」
・公益社団法人 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査調査結果(平成27年)」
・Cornell Feline Health Center「Is Your Cat Slowing Down?」
・一般社団法人ペットフード協会「令和3年全国犬猫飼育実態調査」
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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