・Netflixオリジナルドラマ『その恋、断固お断りします』が、世界の韓ドラファンから人気だ。
・Netflix JAPANの2月19日デイリーランキングでは1位となり、同日のグローバルTVショー部門では、第9位にランクイン。
・そして同時に、主演を務めているユ・テオのキャリアにも注目が集まっている。


2月10日より配信されている、Netflix(ネットフリックス)オリジナルドラマ『その恋、断固お断りします』が、世界の韓ドラファンの間で楽しまれている。

公開後、日本では連日デイリーランキングの上位を占め、2月19日には1位を記録。

また2月15日には、オンライン動画サービス(OTT)のランキング集計サイト『FlixPatrol(フリックスパトロール)』で、前日基準のNetflixグローバルTVショー部門で第2位に浮上した。

こうして必然的に、主演のキム・オクビンとユ・テオのキャリアに注目が集まっている。

キム・オクビンは、男性に病的なほどに対抗意識を持つ女性ヨ・ミラン役を演じ、ユ・テオは女性不信のナム・ガンホを熱演中だ。

先日当サイトでは、キム・オクビンについてを紹介したので、今回はユ・テオについてお伝えしたい。

ドイツ生まれの遅咲きデビュー
ユ・テオは両親の仕事の関係で、ドイツのケルンで生まれ育った。

ユ・テオは2009年より拠点を韓国へ移し、本格活動に入った。

プロバスケット選手を目指していたが、大けがにより断念。この経験を活かし、理学療法士になろうと体育大学への進学を考えていたが、演技に出会い役者の道へ。

22歳の時に、ドイツ映画『Kim Bab』でスクリーンデビュー。そして韓国では2009年に映画『女優たち』でデビューを果たすも、その後はしばし不遇の時代を過ごしたという。

転機となったのは、ロシアの伝説的ロックバンドを描いた映画『Leto(2019)』で、主演のヴィクトル・ツォイ(Viktor Tsoi)に抜擢されたことだった。同作が『カンヌ国際映画祭』に招待されたことで、韓国で一躍脚光を浴びたのである。

そして同年、tvN『アスダル年代記』で主演ソン・ジュンギ扮するウンソムの父ラガズを演じ、少ない出番ながらも印象的な姿を見せた。

2020年にtvN『マネーゲーム』では助演を務め、物語でもキーとなる役を演じ話題に。また『保健教師アン・ウニョン』では悪役として登場、ここ日本でも「あの俳優は誰?」と認知度が広まった。

2006年に結婚、韓国語を学ぶ日々
ユ・テオは、高校を卒業するまでドイツで過ごし、その後はイギリスやアメリカで演技の勉強をしていたため、ドイツ語と英語のバイリンガルだった。

しかし、韓国で俳優として活躍するために韓国語を地道に勉強。読むことと聞くこと、話すことで困ることはなくなったが、書くことはまだ苦手だという。

とは言え、発音には外国人特有のなまりがあるため、配役は韓国系外国籍という役柄が多い。

様々な言語や文化に囲まれて育ちTCK(Third Culture Kids)となったユ・テオは、一時期自身のアイデンティティーが混乱したり、人とコミュニケーションを取ることができなくなったそうだ。

その時、自身が寂しくないように理解してくれた唯一の人物が、妻のニッキ・S・リーだった。そのため彼は「僕のアイデンティティーは彼女にある」と言うほど、彼女に愛情を示している。

絵本作家としても活動
ユ・テオはドイツの童話作家、グリム兄弟と同じくドイツのジーベンゲビルゲの森の中で幼少期を過ごした影響か、子どもの頃から童話的想像力の持ち主だった。

彼がニューヨークで留学していた当時、洗濯した後に必ず靴下が片方だけなくなるという経験を何度もしたことから、「これには必ず理由がある!」と思い立ち、“靴下の怪物テオ”という物語を頭の中で育て始める。

この話を友人にすると、対話の中でどんどんとストーリーや世界観がふくらみ、2015年9月に韓国で絵本『靴下モンスターテオ(原題:양말 괴물 테오)』を出版。

作家としてもデビューを飾っている。

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韓国でユ・テオの名が広まったのは、ここ数年と遅咲きではあるが、満を持して『その恋、断固お断りします』で主演となり、世界からも注目されるまでに至った。

ここから、彼の飛躍を見守っていくことになりそうだ。